2010-06-17 19:02:52

「神学と理性の調和」聖トマス・アクィナスをテーマに、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで16日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

この日、教皇は中世キリスト教文化をテーマとするカテケーシスを続けながら、偉大な教会博士アクィナスの聖トマスの教えを考察。神のみ言葉を源とする真理に到達するため信仰と理性という2つの道を調和させた聖トマスの神学的方法を紹介された。

教皇のカテケーシスの要約は以下のとおり。

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親愛なる兄弟姉妹の皆さん、

中世キリスト教文化の偉大な師たちをめぐるカテケーシスを続けながら、今回も、アクィナスの聖トマスの教説を考察しましょう。教会は聖トマスを神学者および神学研究体系の手本として常に掲げてきました。

聖トマスは、理性と信仰は決して互いに背反するものではなく、かえって完全な調和の中にあるものだと主張しています。この両者の調和はそれぞれの持つ独立性および補完性を侵すことなく、相互に尊重し合うものであると言っています。

理性も信仰もそれぞれ神のみ言葉を源泉とする真理に到達するための、二様の道なのです。

信仰は理性が自ら到達しうる超自然的神秘や三位一体の神ご自身に関する認識をさらに満ち満ちる光で照らします。

理性は信仰が教える事柄を擁護し、その内在的可知性を示しながら、信仰そのものの信憑性を明示します。

信仰と理性の間にある相互補完の関係は、神の恩恵による真理を反映すると共に、人間の本性を高め、その幸福の追求を可能にするのです。

聖トマスは、人間本性の真理に根ざす自然的倫理の最も基本的な原理を、人間は自然的な力でも知りうると確信していました。そして、この自然法こそが人間の尊厳および万人の人権の尊重の土台なのです。

カトリック学校・大学の保護者である聖トマスが、私たち皆のために、深い生きたキリスト教信仰から生まれる理解と知識を取り次いでくれるよう祈りましょう。







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