2010-05-19 19:20:35

ポルトガル司牧訪問を振り返る、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで19日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中の講話で教皇は、先日のポルトガル司牧訪問(5月11日~14日)について報告された。

ファティマの牧童、福者ジャチンタ・福者フランシスコの列福10周年を機会としたこの訪問で、教皇はリスボン、ファティマ、ポルトの3都市を訪れ、様々な公式行事に参加された。

教皇はこの訪問全体がファティマの聖母への信心がとりわけ篤かったヨハネ・パウロ2世に支えられているのを感じたと話され、1981年5月13日、ファティマの聖母の祝日に起きたバチカン・聖ペトロ広場での狙撃事件でご自分を死から救った「見えざる手」に感謝し、3度にわたりファティマを巡礼した前教皇を思い起こされた。
4日間にわたるポルトガル滞在の最初の訪問都市、リスボンでのミサでは、教皇は世紀にわたり同地から他の大陸に旅立った多くの宣教者たちの存在に触れながら、現代の教会においても社会のあらゆる分野で宣教活動に励み、不信に覆われた世界に希望の種をまくよう励ましたと、述べられた。

また、リスボンの文化センターにおける講演では、ポルトガルの文化・芸術・伝統に豊かな影響を与えたキリスト教文化の遺産を指摘すると同時に、未来構築のための他文化との対話・協力への抱負を述べた、と話された。

今回の訪問の中心となった聖母巡礼地ファティマでは、教皇は到着した12日午後、出現の礼拝堂で祈りの時を持たれ、夕べの祈り、ロザリオの祈りを行われた。

ファティマの夕べの祈りで教皇は、ポルトガル全国からやってきた司祭・修道者・助祭らの福音と教会に対する忠実の証しに感謝を表し、世界中の司祭を聖母のけがれなき御心に託した、と報告された。

13日、ファティマの聖母の祝日にとり行われたミサに、聖母への愛と信心をもって主のうちに喜ぶために、多くの巡礼者が参加したことを教皇は喜ばれながら、ファティマの聖母の難しいと同時に慰めに満ちたメッセージの中心は「希望」であると強調された。

ファティマの聖母のメッセージは祈りと償いと回心の上に、歴史の脅威や危険や恐怖を映し出すだけでなく、神の業に信頼して大きな希望をはぐくみ、愛と平和の源である主の恵みを体験するように呼びかけていると、教皇は話された。

最後の訪問先、ポルトで行われたミサで、教皇は、いかなる状況の下でも福音を告げ、復活のキリストを世に示し、困難や苦しみ、恐れを聖霊の力によって成長といのちを学ぶ機会に変容していくよう人々に願ったと述べられた。

感動と霊的賜物に満ちたポルトガル巡礼を振り返った教皇は、ファティマの聖母は、地上の生活を天を目指す巡礼の地として、大きな希望と、神から来る叡智に導かれて歩むよう、すべての人々を招いていると説かれた。

そして教皇は、ポルトガルで福音と共通善のために奉仕する人たちに神の祝福を祈ると共に、この司牧訪問がすべての民に福音の真理と平和と愛を伝える教会の使命に活力を与えることができるよう、聖母の取次ぎを祈って欲しいと皆に願われた。







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