2010-05-03 18:50:31

教皇、トリノを司牧訪問、聖骸布公開を機会に


教皇ベネディクト16世は、2日、北イタリア・トリノを司牧訪問された。

この訪問は、現在開催されている聖骸布公開を機会とするもの。

聖骸布は、キリストの遺体を包んで埋葬するのに使われたと伝えられる布で、トリノ大聖堂に保管されている。今回の公開は2000年以来10年ぶりに行われた。

この朝、トリノは曇り空にも関わらず、祝祭的雰囲気に包まれた。教皇は空港から市内に向かう沿道で市民の温かい歓迎を受けられた。中心部のサン・カルロ広場で行われた教皇ミサにはおよそ5万人が参加、広場に入りきれなかった人々は中継スクリーンを設けた市内2カ所の会場に集った。

ミサの説教で教皇は、復活節はイエスの栄光をたたえる時であり、その栄光とは十字架を通して実現されたものであると強調、キリストの受難と栄光の離しがたい密接な関係を指摘された。

「互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」(ヨハネ13,34)というイエスが最後の晩餐の席で弟子たちに与えた「新しい掟」を示された教皇は、わたしたちが互いに愛し合うならばイエスはわたしたちの間に現存され続け、イエスの愛の栄光は世にたたえられることになるだろうと話された。

愛の模範、愛の源として自分自身を差し出されたイエス、その無限で普遍的な愛の力はあらゆる困難な状況をも変え、人を愛の中に成長させると教皇は述べ、イエスの愛に勇気づけられながらトリノで活躍した数多くの聖人たち、人々に寛大に奉仕するトリノの教会の聖性の伝統を思い起こされた。

教皇は、分裂や怒り、憎しみなどを生む多くの困難に対し、キリストに一致した寛大で完全な愛をもって生きるよう信者らを招くと共に、特に就業問題や未来の不安、心身の苦しみを持つ人々、移民や疎外された人々に、私たちは一人ぼっちではなく、神は一人ひとりを愛されているということを伝え、共通善のために協力・奉仕し、人間的な社会の構築に貢献するよう願われた。

同日午後、教皇は同じサン・カルロ広場で若者たちとの集いを行われた後、大聖堂に公開された聖骸布の前で深い祈りの時を持たれた。

夕方、最後の訪問先として、教皇はトリノ郊外の「神の摂理の小さな家」を訪問された。同共同体の創立者、聖ジュゼッペ・ベネデット・コットレンゴ神父の墓前で祈られた教皇は、病者たちに祝福と励ましを与えられた。







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