2010-03-26 18:54:10

教皇とローマ、ラツィオの若者たちとの出会い、世界青年の日創設25周年を記念し
 


 教皇ベネディクト16世は、25日、バチカンの聖ペトロ広場で若者たちとの出会いを持たれた。

この集いは、カトリック教会の最初の世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)がヨハネ・パウロ2世によってローマで開催されてから25周年を記念して行われた。

世界青年の日は1985年に行われた国連の国際青年年を機に同年創設されたもので、以来カトリックの若者の祭典として、毎年復活祭前の聖週間の「枝の主日(受難の主日)」に教区レベルの大会、また数年ごとに世界大会が開かれてきた。

今年の教区レベルの世界青年の日を3日後の28日に控えて行われたこの記念行事には、地元ローマ教区とラツィオ州の各教区からおよそ7万人の若者が参加した。歌や歓声に彩られたこの集いは、これまで世界で行われたワールドユースデー大会さながらの熱気にあふれた。

教皇は、今年度のWYDのテーマ「善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか」(マルコ10,17)をベースに、若者たちと質問・応答形式の対話を行われた。

このテーマは、ある若者がイエスに投げかけた問いを取り上げている。

若者たちの代表は、「人生を精一杯生きたいと思いはあるが、現実には目標もなく、自分のことだけを考えながら何となく日々を送ってしまうのではないかと心配だ」、「福音書の中のイエスと若者の出会いを、今日の私たちはどうしたら体験することができるのか」、「イエスは若者にすべてを置いて、自分に従うようにといい、若者はそれができずに悲しみながら去っていくが、私にもそれだけの勇気がないのだが、どうしたらよいのか」の3つを教皇に質問。

教皇はこれらの問いに対し、原稿を用いずに一つひとつ誠実に若者たちに答えられた。

「人生を深く豊かに生きるには」という問いに対し教皇は、マルコ10章のイエスと若者の対話で、まずイエスが戒律を守るように勧めている点に注意を向けられた。イエスの言う掟とは「すべての心をあげて神を愛し、隣人を自分のように愛しなさい」ということに要約されると教皇は述べ、神を愛するためには、神を知ることが必要であり、神を知ることで自分の存在が偶然ではないこと、神は一人ひとりに特別な計画を用意してくださることがわかってくると述べられた。また、愛の掟に従うことで、家族や社会や命に対する尊重が生まれてくると話された。

「イエスとの出会いを体験するには」という質問に、教皇はイエスと出会いその愛を知るには、学科を勉強するようにではなく、「心」が大切であり、祈りの中でイエスと話すことが必要と述べられた。

また、「イエスに従うには、すべてを捨てなければならないのか」という質問には、聖パウロの「競技をする人はすべてに節制します。わたしたちは朽ちない冠を得るために節制するのです」というコリントの信徒への手紙1の言葉を引用。前進し、人生の目標に達するためにはあることを諦めることが必要と強調。麻薬やアルコール、お金、怠惰など一見自由に託されているように思われることは、実は隷属の始まりであると指摘された。真の善、真の自由に向かうにはその時々の誘惑に打ち勝つことが大切で、本当の節制を知ることで人生の道を見出すことができると説かれた。
 







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