2010-03-16 17:13:38

教皇、ローマのルーテル福音教会を訪問


教皇ベネディクト16世は、14日午後、ローマ市内のルーテル福音教会を訪問された。

教皇とローマのルーテル共同体との出会いは、1983年のヨハネ・パウロ2世の訪問に続き、2度目となる。ただし、ベネディクト16世は枢機卿時代の1998年にも同教会を訪れ、共同体と交流の機会を持っている。

同教会のジェンス・マーティン・クルーズ牧師によれば、ローマにおけるルーテル共同体はおよそ350人からなり決して大きいものではないが、その活動は貧しい人々への奉仕をはじめ非常に活発である。また、エキュメニズム運動にも力を入れており、例えば聖週間には、付近にあるすべてのカトリック教会と共同で十字架の道行きなどを行っている。

今回の訪問は、ルーテル教会からの招きにベネディクト16世が応えたもの。教皇は同共同体の温かい歓迎に心からの感謝を表されると共に、原稿を用いずドイツ語で人々に挨拶を述べられた。

教皇は、人類のために自らを捧げられたキリストが示された道、愛という唯一の歩みを分裂させたのは私たち人間であると述べ、イエスの示した道に従うことのできない人間の至らなさが、キリスト者間の完全な一致を妨げてきたと指摘された。

これに対して、キリスト者はイエスの十字架の道に従い、イエスの示されたように限りない愛をもって人々と希望や苦しみを分かち合い、すべての隣人に奉仕しなければならないと教皇は強調。

キリスト者であるということは「一つの私たち、一つの共同体」であることだが、分裂してしまったキリスト教共同体を再び一致させるために始まったエキュメニズム運動が多くの実りをもたらすようになったことを喜ばれた。

人間だけで築いたものは儚く、真の一致をもたらしてくださるのは神だけであると話された教皇は、それゆえに一致の恵みを共に神に祈り求めていきましょうと強く呼びかけられた。







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