2010-03-11 17:55:01

「聖ビアンネ神父に倣い、救いの対話を築く」内赦院セミナー参加者と教皇の出会い


教皇ベネディクト16世は、11日、教皇庁内赦院主催のセミナーに参加した司祭らとお会いになった。

内赦院は、教皇庁の裁判所の一機関で、良心問題や、贖宥(しょくゆう=教会の与える有限の罰の償いの免除)に関する問題を扱っている。

同院では毎年、復活祭前の準備期間である四旬節に、カトリック教会の7つの秘跡の一つ「ゆるしの秘跡」についての考察を深める司祭対象のセミナーを開催している。

教皇は参加者への挨拶で、「アルスの司祭」聖ヨハネ・マリア・ビアンネ神父(1786-1859)の帰天150年を機会に現在開催されている「司祭年」に言及。優れた聴罪司祭であったビアンネ神父に倣い、ゆるしの秘跡への限りない信頼を高め、「救いの対話」のあり方を学ぶよう勧められた。

ゆるしの秘跡への奉仕を生きたビアンネ神父の英雄性・豊かさはどこに根ざしていたのかと教皇は問い、それは第一に彼自身が常に悔悛の精神を忘れなかったからではないかと話された。

自分の限界を知り、赦しと聖性の歩みにおける支えを願うために神の憐れみにより頼むことは司祭生活の基本であると述べた教皇は、神のいつくしみの偉大さを自らが先に体験した者だけが赦しの秘跡の確信的な役務者となれると説かれた。

快楽主義や相対主義的文化に覆われた今日の社会において、神は生活の場から消され、善悪の区別は曖昧になり、罪の意識も育たなくなっていると教皇は指摘。

しかしながら、ビアンネ神父の時代にも信仰に対する憎悪は存在し、司祭職の遂行さえも妨害されそうになったこともあったが、アルスの聖なる主任司祭は教会を「家」として、人々を神に引き戻していったと回想された。

主の素晴らしさとその愛の偉大さを示し、人々の心に神と天国への憧れを抱かせたビアンネ神父が、告解者とまさに「救いの対話」を築いていたことを思い起こされた教皇は、司祭たちが自らの召命に真剣に応え、主の現存を生き生きと示すことで、信者たちに神に赦しを請う勇気を持たせることができるようにと願われた。







All the contents on this site are copyrighted ©.