2010-03-01 18:32:40

チリ地震とイラクのためにアピール、教皇、日曜正午の集い


教皇ベネディクト16世は、28日、日曜正午の祈りを信者と共に唱えられた。

教皇はバチカンの高位聖職者を対象とした1週間の四旬節黙想会を27日午前に終了し、公務に戻られた。

この集いで教皇は、最近イラク・モスルでキリスト教徒が相次いで殺害されたことに深い悲しみを表された。そして、宗教を問わず、イラクで続く暴力行為の犠牲となったすべての人々のために、また同国の平和と安全の実現のために、現地の司教らと心を合わせて祈られた。

教皇はイラク国内の信者たちに「キリスト教徒たちが社会の一員として何世紀も定着していた皆さんの祖国において、これからも善の推進力となっていくように」と励ましの言葉をおくられた。

また、イラク政府に対し、少数派の宗教に属する人々をはじめ、すべての市民に安全と基本的権利が保証されるよう、さらに国際社会に対し、同国に和解と正義、平和がもたらされるよう一層の努力を願われた。

さらに、この日教皇は大地震によって膨大な被害を受けたチリの国民に精神的一致を示された。教皇は犠牲者の冥福と共に、苦しみの中にある遺族や被災市民に神から慰めと勇気が与えられるよう祈られた。

教皇は、教会系組織はもとより国際社会の被災地への支援が決して欠けることがないように願われた。

集いの説教で教皇は、この日のミサの福音朗読箇所、ルカ福音書(9,28b-36)のイエスの変容のエピソードを取り上げられた。

ここでは、イエスが3人の弟子たちと山に登り祈っていると、イエスの顔の様子が変わり、服が真っ白に輝き、モーセとエリアと語り合っていた、その光景が弟子たちの視点で描かれる。

弟子のペトロ、ヨハネ、ヤコブは神々しい光景を目撃しているにも関わらず、ひどい眠気に襲われ、すぐにはそれを理解できなかった。教皇は、ここにイエスの栄光を見るためには自己の無気力と闘うことの必要を指摘された。

モーセとエリアがイエスから離れようとした時、ペトロはイエスに話しかけるが、彼らは雲に覆われてしまう。しかしその時、「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」(ルカ9,35)という声が聞こえ、彼らはそこに「イエスだけ」がいるのを見た。

教皇は「イエスだけ」が御父が弟子たちと教会に示されたものであり、唯一耳を傾け、従うべき存在であると話された。

この四旬節に熱心に福音書を観想するよう教皇はすべての信者に勧められると共に、司祭年にあたり、司牧者らが真に神の御言葉に満たされ、自分の行いと思いがそれに一致するまでにその理解を深めるようにと願われた。







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