2010-01-21 10:33:08

教皇、聖心侍女修道会創立者、聖ラファエラ・マリア・ポラスの像を祝福


教皇ベネディクト16世は、20日、聖心侍女修道会創立者、聖ラファエラ・マリア・ポラスの像を祝福された。

この日、教皇は一般謁見の前に、聖ペトロ大聖堂外壁のニッキア(壁がん)に新たに設置された同聖人像の除幕式に臨まれ、関係者らに励ましをおくられた。

聖ラファエラ・マリア・ポラスは1850年、スペインのペドロ・アバドに生まれた。貧しい人々に尽くした両親の感化を受けて育ち、若くして姉ドロレスと一緒に病人や貧しい人々への奉仕を続ける中、修道生活への召命を受けた。1877年、聖心侍女修道会を姉と共に創立。16年間にわたり院長・総長として修道会の精神の基礎を築いた後、すべての職務を退き、一修道女として隠れた生活の中に残りの32年間を聖体のうちにおられるイエスの聖心への愛に自らを捧げて生きた。1925年、ローマで75歳で帰天。

聖心侍女修道会(本部:ローマ)は「聖体の礼拝」と「福音を伝える教育」を通じ、現在世界23カ国で活動している。日本には1934年に最初の宣教グループが出発し、1935年東京に清泉寮学院を創立。これが後の清泉女子大学をはじめとする系列校に発展していった。日本では学校教育を中心に、移民への奉仕、社会司牧などの活動に取り組んでいる。

****************

聖ラファエラ・マリア・ポラスの霊性と、聖心侍女修道会の活動などについて、同会のSr.深沢光代総長にインタビューした。

-聖ラファエラ・マリアの霊性とは何でしょうか?

聖ラファエラ・マリアにとって一番大切なものはエウカリスティア(聖体)でした。聖体の中におられるキリストを礼拝したい、聖体の中におられるキリストの愛を伝えたい、との願いによって、聖体礼拝を行うと共に、福音を伝える教育を始めたのです。

-ラファエラ・マリアが生きたのはどういう時代だったのでしょうか?それは今の時代とどのような共通点があるのでしょうか?

ラファエラ・マリアが生きた時代のスペイン、コルドバ地方には女子のカトリック学校というものはほとんどありませんでした。ラファエラ・マリア自身も学校に行かず、家庭教師のもとで勉強していました。地元の教会関係者らは女子のカトリック教育の必要を痛感していました。こうした中で彼女は福音を伝える教育を修道会の使命と感じるようになったのです。当時は学校がなかったという点でカトリック学校が必要でしたが、学校がたくさんある現代においても、知識を伝えるだけではなく、人間教育、神の愛を伝え共に生きる教育として、カトリック学校の必要性は同じだと思います。

-学校教育で一番伝えたいことは何でしょうか?

私たちには神様という素晴らしい方があり、一人ひとりを大切にしてくださり、愛してくださる、だから私たち自身も愛さなければならないということです。特にラファエラ・マリアは貧しい人々を大切にしていました。学校や社会の中で、いろいろな意味で恵まれない人、苦しんでいる人たちに関心を持ち、これらの人々のために何かができる人間、社会を変えていける人間にならなければいけない、ということを伝えたいと思います。

-日本での活動は、学校教育以外にどのようなものがありますか。

外国からの移住者、日本に住んで働いている外国人の司牧にたずさわっているほか、いわゆる社会司牧、たとえば司教協議会の中で、主に正義と平和の意識化のために働いているシスターたちもいます。

-閉塞感に満ちた現代の社会を生きる人々に、聖ラファエラ・マリア・ポラスとその姉妹たちは、どのようなメッセージを届けますか?

「いつも希望を持って生きましょう」というメッセージです。私たちの会の名前にもあるイエスの聖心は、神のいつくしみ、憐れみ、赦しを私たちに語ってくれます。いろいろなことがあっても、神様はいつも私たちを愛していてくださいます。ですから、神に信頼して、希望を持って生きていきましょうというメッセージを、私たちの言葉と生き方をとおして伝えていきたいと思います。
 







All the contents on this site are copyrighted ©.