2010-01-18 18:42:32

教皇、ローマのユダヤ教会堂を訪問


教皇ベネディクト16世は、17日、ローマのシナゴーグ(ユダヤ教会堂)を訪問された。

教皇がローマのシナゴーグを訪れるのは、1986年のヨハネ・パウロ2世の訪問以来24年ぶり、2人目となる。

この日会堂内には「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」(詩編133)と合唱が響いた。教皇はユダヤ教関係者らの非常に温かい歓迎を受けられた。

ローマのユダヤ教共同体会長リカルド・パチフィチ氏は、この出会いをユダヤ教とキリスト教の関係に深いしるしを残すものとし、戦時中自身の父と叔父が迫害を逃れ修道院に避難していたエピソードを紹介した。

また、ローマの主席ラビ、リカルド・ディ・セーニ師は、まだ「開いた傷」があるとしても、ユダヤ教とキリスト教の対話は可能であるし、続けなければならないと話した。

教皇は、人間が創造主を忘れるとき憎しみが生まれると話し、恐ろしいユダヤ人虐殺の悲劇、特に家や家族から引き離されアウシュビッツ強制収容所で命を落としたローマのユダヤ人たちの苦しみを深く受け止められた。

一方で、当時多くの人々が無関心であった中にも、キリスト教の信仰と教えに支えられ、時には命の危険も顧みずユダヤ人たちを助けた多くのカトリック教徒たちの存在を教皇は思い起こされ、教皇庁も隠された形で救援活動を行っていたことを指摘された。

第2バチカン公会議の精神に従いこれからもユダヤ教とカトリックの友好の歩みを続けたいと述べた教皇は、神を知らない人々に共に神を伝え、命や家庭の保護などにおいて協力していきたいと希望された。

教皇はナチス・ドイツによる強制連行・収容から生還した人々とお会いになったほか、シナゴーグに付随するユダヤ教博物館を見学され、2時間にわたる実り多い訪問を終えられた。







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