2009-12-31 17:02:09

「新年がキリストの友情と共にあるように」教皇、一般謁見で


教皇ベネディクト16世は、バチカンで30日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

2009年最後となるこの謁見で、教皇は新年の挨拶を次のようにおくられた。

「親愛なる友人の皆さん、今年も終わりに近づき、新しい年がすぐそこまで来ています。これから始まる年の毎日が、私たちの主イエス・キリストの友情と共にありますように。このキリストの友情を光、導きとして、私たちが平和の人、キリストの平和の人となれますように。皆さん、どうかよい新年をお迎えください。」

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)では、中世のキリスト教思想家の考察として、12世紀のイタリアの神学者ピエトロ・ロンバルド(ペトルス・ロンバルドゥス)を取り上げられた。

ピエトロ・ロンバルドは、11世紀末期から12世紀初期の間に北イタリア・ノヴァラに生まれ、ボローニャ、ランス、パリで学究した。パリではノートルダムの学校で教鞭をとり、優れた神学者として評価された。司祭となり、1159年にはパリの司教に任命された。翌1160年に死去した。

教皇はピエトロの最も知られた著作「命題集」を紹介。神学の教育・研究上の使用を目的に記されたこの本には、4巻に渡り教父たちのテキストがテーマ別に注意深く調和をもって選択・整理されている。「命題集」は世紀にわたり神学入門の基礎となり、大聖アルベルトや聖ボナヴェントゥーラ、聖トマス・アクィナスらに影響を与えた。

信仰の遺産をまとまりと秩序のもとに組織することを神学の一つの特徴として示された教皇は、個々の真理が全体的な調和の中で輝くように、キリスト教教理の総体的なビジョンを常に意識するよう神学者や司祭らに願われた。

また、教皇はピエトロ・ロンバルドの神学史上の非常に重要な貢献として、秘跡の本質を「目に見えない神の恩寵の目に見えるしるしであり、原因である」と定義し、その秘跡は「洗礼、堅信、聖体、ゆるし、病者の塗油、叙階、婚姻」の7つであると明示したことを挙げられた。

そして、教皇は神が教会共同体において与えられるこれらの秘跡の価値を再発見するようすべての信者を招くと共に、特に司祭年に当たり司祭ら自身が秘跡生活を深く生き、それを信者の司牧に生かしていくよう呼びかけられた。







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