2009-12-26 18:51:06

降誕祭:「エゴイズムと暴力を捨て、神の謙遜に倣う」教皇、深夜のミサで


教皇ベネディクト16世は、24日深夜、バチカンの聖ペトロ大聖堂で、主の降誕を祝う荘厳ミサを捧げられた。

ミサの説教で教皇は、主の降誕の神秘とメッセージを、幼子イエスを探してベトレヘムにやってきた羊飼いたちの行動を通して観想された。

教皇は、まず羊飼いたちが夜通し「目覚めていた」ことを強調。「目覚めている」人とは、エゴイズムに支配され自分だけの特殊な世界に閉じこもった「夢の中にいる」人とは異なり、自分の利害や意見だけの小さな世界を出て、共同の現実の中に入っていける人であると話された。

また、教皇は天使のお告げを受けた羊飼いたちが「急いで」救い主なる幼子を探しにいった点に注目され、神に会いに行くことを他の何よりも優先させた羊飼いたちの心の自由さから、生活の中で神を後回しにしがちな私たちは多くを学ぶべきと述べられた。

羊飼いがベトレヘムで見たものは、無力な赤子の姿をとった謙遜な神の姿であった。この謙遜こそ神の真の偉大さであり、私たちを愛と信仰に招くものと説かれた教皇は、神に似た者となるべく、私たちは暴力を捨て、真理と愛だけを身にまとうべきと話された。

そして、教皇は、それぞれが幼子イエスを心に迎えることで、自分を変容・刷新し、真の人間として生きられるよう熱く祈られた。

ミサの冒頭、入祭の行列の途中、教皇は会衆から飛び出した精神不安定な状態にある女性に祭服をつかまれ、引きずられて床に倒れたが、すぐに立ち上がりミサを続けられた。教皇にけがはなかった。

一方、この件でロジェ・エチェガライ枢機卿は転倒し大腿骨頚部を骨折、病院に移送された。同枢機卿は元気であるが、今後手術を受ける必要があるという。







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