2009-11-24 18:33:25

「美を通して人々に希望を」教皇と芸術家たちとの出会い
 


教皇ベネディクト16世は、バチカンのシスティーナ礼拝堂で21日、芸術にたずさわる様々な分野の人々とお会いになった。

教皇庁文化評議会(議長:ジャンフランコ・ラヴァージ大司教)主催のこの集いには、画家、彫刻家、建築家、音楽家、映像作家など、国籍や宗教も様々な芸術界の関係者らが参加した。

教皇は参加者らへの挨拶で、キリスト教が早くから芸術の価値を理解し、変わることのない救いのメッセージを伝えるために様々な形の芸術を取り入れてきたことを指摘されながら、時代と文化の変遷を経た今も、教会と芸術界との友好・対話・協力が豊かに育まれるよう期待された。

現代の教会の芸術に対する特別な関心を示す出来事として、教皇は1964年のパウロ6世と芸術家との出会いをはじめ、ヨハネ・パウロ2世の「芸術家への手紙」などを紹介。

教皇はこの集いの会場、システィーナ礼拝堂でかつて活躍した多くの偉大な画家や音楽家たちの存在を思い起こしながら、特にミケランジェロが描いた「創世記」と「最後の審判」に目を向けられた。

人類の歴史を最終的な幸福、充満に向かう上昇として描く一方で、永遠の奈落の危険をも表す「最後の審判」を通して、ミケランジェロは歴史の始めから終わりに至るビジョンを示しつつ、天に目を上げ人生の道のりを喜びと勇気と希望を持って生きるよう私たちを招いていると、教皇は述べられた。

そして、教皇は芸術関係者に、社会・経済における様々な危機が希望を弱め、諦めや失望が広がる中、人々に生きることへの喜びと信頼を再び与えるために、「美において、美を通して」人類に希望を証しして欲しいと願われた。







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