2009-11-12 17:37:02

「アングリカノールム・チェティブス」聖公会からカトリック教会に入ることを望む人々のための使徒憲章発表


教皇ベネディクト16世は、聖公会からカトリック教会に入ることを望む人々のための使徒憲章「アングリカノールム・チェティブス」を、9日、公布された。

公布にあたり、教皇庁広報局は以下のように述べている。

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今年10月20日、教皇庁教理省長官:ウィリアム・ジョセフ・レヴァダ枢機卿は、カトリック教会に入ることを希望する世界各地の聖公会の聖職者・信者のグループからの多くの要望に応えることを目的とした新しい文書が発布される旨を告げていた。

このたび発布された使徒憲章「アングリカノールム・チェティブス」は、教会法上の組織の一つ、属人的司教区の設立を規定し、これによってこれまで聖公会に属していた信者がカトリック教会との完全な交わりに入ることを可能にすると共に、これらの信者がアングリカンの精神遺産と典礼の要素を保てるよう取り計らっている。

同憲章発布と同時に、教理省はその措置を正確に実施するための補則集を公布した。

この使徒憲章は、共通の信仰を表現する上でそれぞれの正当な違いを認めながら、キリスト教の一致を推進するための新たな道を開くものといえる。これは教皇庁内から発した働きかけではなく、先のような望みを持つ聖公会内のグループの熱意に教皇が寛大に応えたものである。この新しい組織の設立は、カトリック教会のひとつの優先課題であるエキュメニカル対話のための取り組みに調和するものである。

同使徒憲章は、属人的司教区内における結婚した司祭たちの存在の可能性を考慮しているが、これは司祭の独身性に関する教会の規律の変化を何ら意味するものではない。これは第2バチカン公会議が言うように、司牧的愛のしるし、また励ましであり、神の御国を輝かしく告げるものである。

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使徒憲章「アングリカノールム・チェティブス」は、計13条からなり、いくつかの条は複数項を伴っている。

同憲章はまず、カトリック教会との完全な交わりに入ることを望む聖公会の信者のために属人的司教区(オルディナリアーティ・ペルソナーリ)の設立を定めている。

これらの属人的司教区は、教理省によって一つの司教協議会の管区内に設立され、以前聖公会に属し、今はカトリック教会との完全な交わりに入った信者、聖職者、修道者、あるいは同司教区において洗礼の秘跡を受けた者によって構成される。

これらの属人的司教区は、ミサをはじめ他の秘跡、聖務日課、その典礼行為を、ローマ典礼はもとより、教皇庁によって認可されたアングリカンの伝統的な典礼書に従って行うことができる。

属人的司教区の司牧は、教皇から任命を受けたオルディナリオ(担当司教)に託される。

聖公会の助祭、司祭、司教で、教会法上の必要とされる条件を満たす者は、担当司教からカトリック教会の聖職志願者として受け入れられる。結婚している司祭は教皇パウロ6世の回勅「サチェルドタリス・チェリバトゥス」の規範を守り、結婚していない司祭は教会法の定める司祭の独身性に従わなければならない。

同憲章はまた、オルディナリオは地域の教区の司教に意見を仰ぎ、教皇庁の許可を受けた上で、属人的司教区の信者の司牧のために「属人的小教区」を設立することができると述べている。

同憲章はこの他、神学生の育成、修道会の創立、教皇庁への定期訪問、オルディナリオを補佐する評議会の設立などについても定めている。

また同時に発表された「使徒憲章アングリカノールム・チェティブス補則集」には、同憲章の正確な遂行を促すための補則14条が明記されている。







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