2009-10-29 18:13:25

第2回アフリカ特別シノドス:最終提案書を採択、「新たな聖霊降臨」のもとに


第2回アフリカのための特別シノドス(代表司教会議)は、24日、最終提案を採択し、これによってすべての会議を終了した。

前日23日に、シノドス参加司教からの全教会へのメッセージとして「神の民へのメッセージ」を発表した同会議は、続いて最終的な「提案書」を採択、教皇ベネディクト16世に提出した。

教皇はこの提案書の内容をふまえながら、シノドス後の使徒的勧告を準備される。

シノドス参加司教団より教皇に提出される最終提案書は通常公表されることはないが、教皇は今回内容の公表を許可された。

第2回アフリカ特別シノドスからの提案は57項目からなる。

提案書は第一に、「教会的交わり」の大切さを強調。第1回アフリカ特別シノドスが「復活と希望のシノドス」であったのに対し、今回のシノドスを「新たな聖霊降臨のシノドス」と位置づけながら、教会という神の家族において協力し合い、使徒的貢献を通して、アフリカの和解と正義と平和、全人類のために働き、アフリカを苦しめている諸問題が繰り返されることのないように努力したいとしている。

次に司教らは提案書の中で「和解」「正義」「平和」を、アフリカの発展に欠かせない要素として示している。

まず、すべての「和解」の基礎として、教会生活の中の「和解の秘跡」の大切さに注目し、同秘跡を信者の間に根づかせ、その精神性を高める司牧を提案している。またこれに関連し、異なるキリスト教教会間や、イスラム、アフリカの伝統宗教などとの対話・協力・相互尊重を推進し、宗教を理由とした不寛容や暴力をなくす努力を呼びかけている。

「正義」をめぐる事項として、提案書は、すべての人々に正義と人権の尊重を推進するために、教育を通して正義と平和の文化を構築するようアフリカの教会を招いている。また、貧困をなくし、持続した平和、社会の安定、暴力のない安全な生活を保証することで、命を大切にし、弱い人々を守り、移民や頭脳の流出を防ぐことができるとアピールしている。

司教らは「平和」は何よりも神の恵みであると同時に、人々の努力の実りであり、まず一人ひとりの心から始まるものであるとしている。シノドスは、闘争の解決や和平のための働きかけ、正義・平和・和解に関する賢明な助言、対話の推進など、教会が様々なレベルで果たすべき役割を示している。

加えて、「和解」「正義」「平和」に関係した課題として、シノドスは、水や土地をはじめ、環境や天然資源を保護し、搾取から守ることを訴えている他、武器取引、共通善のための責任ある政治、収賄との戦い、公正な選挙、移民・難民問題、民族間の尊重などのテーマにも言及している。

提案書の後半、司牧上の推進事項として、司教らは第一に教会のアイデンティティーである「福音宣教」を挙げ、生活の中で行いと言葉を通して福音の価値を人々に証しすることで、アフリカの教会が「地の塩」「世の光」として「和解」「正義」「平和」に奉仕していくことを願っている。

個々の司牧的課題としては、小共同体における信仰生活の強化、カルトなど新しい宗教運動の挑戦に対し信徒に正しい指針を与える必要、信徒の恒久的育成、信仰に基づいたキリスト者の家庭・夫婦のあり方、司祭・神学生・終身助祭・修道者・カテキスタの育成などを取り上げている。

さらに、提案書は、聖体の秘跡と赦しの秘跡、み言葉の持つ力の重要性に触れると共に、アフリカの女性が家庭と社会の中で果たす大切な役割とその権利の保護、青少年教育に留意し、若者や子供たちを搾取や暴力・麻薬から守る必要、障害者への支援、エイズやマラリアとの闘い、麻薬とアルコール問題、受刑者への関心、死刑制度の廃止、人間育成と福音宣教に役立つメディアの使用などを課題として示している。

そして、司教らは提案書の最後に、シノドスの実りを聖母マリアに託して祈っている。







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