2009-10-13 18:07:39

ダミアン神父ら5人の列聖式、バチカンで


教皇ベネディクト16世は、11日、バチカンの聖ペトロ大聖堂でミサを捧げられ、この中で5人の列聖を宣言された。

ミサには聖人たちのゆかりの地から多くの巡礼団が参列し、大聖堂に入りきれなかった人々が聖ペトロ広場を埋めた。

この日、新たに聖人の列に加えられたのは、以下の5人。

‐ジグムント・シャチェスニ・フェリンスキ大司教(ウクライナ1822-1895、ワルシャワ大司教、マリアの家族のフランシスコ修道女会創立者)

‐フランシスコ・コル・イ・ギタール神父(スペイン1812-1875、お告げの聖母ドミニコ修道女会創立者)

‐ヨセフ・ダミアン・デ・ブースター神父(ベルギー1840-1889、イエズス・マリアの聖心会司祭)

‐ラファエル・アルナイス・バロン修道士(スペイン1911-1938、厳律シトー会士)

‐マリ・ドゥ・ラ・クロワ・ジャンヌ・ジュガン修道女(フランス1792-1879、貧しき人々の小さき姉妹会創立者)

教皇はミサの説教で、「わたしに従いなさい」(マルコ10,21)というイエスの愛の呼びかけに真摯な愛で応えた聖人たちの生き方を見つめるよう招かれた。

イエスは弟子たちにその命のすべてを人間的な打算なしに、神への完全な信頼のうちに捧げるよう望まれ、聖人たちはこの難しい要求に対し、謙遜な従順をもって、十字架につけられ復活したキリストに続く者となったと教皇は強調。聖人たちの信仰に基づく考え方は時に人間的には理解されなかったが、彼らの中心にあったのは自分自身ではなく、福音を生きることそのものであったと話された。

この日、列聖された5人の中で、特にハワイでハンセン病患者の救済に尽力し、自らも同じ病を発症し患者たちの真の友となって亡くなったダミアン・デ・ブースター神父は、「モロカイの聖者」として日本でも知られ、大きな尊敬を集めてきた。

教皇は式中、ダミアン神父の生涯を次のように振り返られた。

「ダミアン神父は、1863年、23歳で故郷フランドル地方を離れ、世界の別の場所に福音を告げるため、ハワイ島に向かいました。彼の宣教活動は自身に大きな喜びを与え、それは愛の業となって花開きました。恐れやためらいにも関わらず、彼はモロカイ島に置き去られ誰からも顧みられないハンセン病患者たちへの奉仕を決意しました。そして、病気に苦しむ患者たちと接しました。彼は患者たちとの生活を、家のように感じました。み言葉の奉仕者は、こうして苦しむ人々の奉仕者となり、晩年の4年間は患者の中の患者となりました。キリストに従うために、ダミアン神父は自分の故郷と別れただけでなく、自分自身の健康までも捧げたのです。それゆえ、彼はイエスの言うように『永遠の命』(マルコ10,30)を受けたのです。」

ダミアン神父の列聖は、今年日本での宣教60年を迎えたイエズス・マリアの聖心会の関係者はじめ、多くの信者たちにも喜びをもたらした。







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