2009-10-01 18:21:15

チェコ、スタラ・ボレスラフでの教皇の若者へのメッセージ(2009.9.28)


親愛なる若者の皆さん、

ミサの終わりにあたり、特に若者の皆さんに挨拶をおくりたいと思います。今日はたくさんの若い人たちがチェコ全国や近隣諸国から集まってくれました。皆さんの多くは昨晩テントに泊まり、信仰と兄弟愛の共同体験をしました。ここに集ってくださった皆さんに心から感謝します。皆さんは若さの特徴である熱意と寛大さを感じさせてくれます。皆さんと一緒にいることで、私自身も若く感じます。代表者からの温かい歓迎の言葉と素晴らしい贈り物にも心から感謝します。
親愛なる友人の皆さん、若者たちの中に幸福への熱望を読み取るのは難しいことではありません。しかし、この熱望には往々にして不安の感情も混じりこんでいます。今日の消費主義社会は、しばしばこの若者たちの熱望を間違った方向に向けてしまいます。真実であると同時に実現可能な一つの答えを要求する、幸福へのこの熱望は、真剣に考えるべきことです。皆さんの年代には、人生を悪い方にも善い方にも向ける可能性を持った重大な最初の選択が行われます。 残念ながら、皆さんの同年輩の中には、人工の楽園の蜃気楼に惑わされ、悲しい孤独のどん底に落とされてしまう若者たちもいます。一方で、先ほど皆さんの代表者が話してくれたように、多くの若者たちが自分の人生に真の意味を与えようと、行動を起こしています。

私はすべての若者たちに聖アウグスティヌスの体験に目を向けるよう招きます。聖アウグスティヌスは、人間の心は皆、真に求めるものに到達するまで決して安らぐことがないと言っていました。彼は、イエス・キリストだけが彼自身の、またすべての人々の望みを満たす答え、幸福な生活の答え、完全な意味・価値をもたらす答えであることを発見したのです。

聖アウグスティヌスにしたように、主は皆さん一人ひとりに出会いに来られます。あなたたちの自由の扉を叩き、友だちとして受け入れてくれるよう願っています。主はあなたたちを幸福にしたいのです。あなたたちを人間性と尊厳で満たしたいと思っているのです。キリスト教信仰とはこういうことです。つまりそれは、人生に新しい展望、決定的な方向性を開く、生きたお方としてのキリストとの出会いです。一人の若者の心が神のご計画に開かれる時、神のみ声を認め、それに従うまでにあまり苦労はいりません。事実、主は各自をその名前で呼び、それぞれに教会と社会の中で特別な使命を託すことを望まれているからです。

親愛なる若者の皆さん、あなたたちを神の子とし、その身体すなわち教会の肢体とした洗礼についてはっきりとした認識を持ってください。イエスはあなたたちを自分の弟子、証人とするための招きを、絶えず新たにしています。主はあなたたちの多くを結婚生活に呼んでおられます。この秘跡のための準備は、真の意味での召し出しへの歩みです。ですから、キリスト教的家庭を築くための神からの呼びかけを真剣に考えてください。そして、若い皆さんが、責任をもって未来を築くことを願っています。社会はキリスト教的家庭、聖なる家庭を必要としています。

もし、主が皆さんを司祭職や修道生活に招くとしたら、迷わずその招きに従ってください。特に、司祭年を記念する今年、私は若い皆さんに呼びかけます。生涯を神とその民への奉仕に招くイエスの呼びかけによく注意し、それに答えるよう努力してください。教会は、この国においても、多くの聖なる司祭と、世界の希望であるキリストへの奉仕にすべてを捧げ尽くす修道者を必要としています。

希望。私がしばしば繰り返すこの言葉は、まさしく若さによく似合う言葉です。

親愛なる若者の皆さん、あなたたちは教会の希望です。教会は皆さんが去年、世界青年の日(ワールドユースデー)オーストラリア大会でそうであったように、希望の使者となることを期待しています。次の大会は2010年にスペインのマドリッドで開かれます。皆さんの多くが参加することと思います。今から皆さんを、教会内におけるキリストと若者たちとの偉大な出会いであるこの大会に招きたいと思います。

親愛なる友人の皆さん、今日の出会いと、皆さんからの素晴らしい贈り物に感謝します。これは皆さんの教区における若者たちの生活を多くの美しい写真で綴った素晴らしい本です。そして、皆さんが寛大な心で募ってくれたアフリカの若者たちへの連帯のしるしにも深く感謝します。

私は、皆さんがいつも喜びと熱心をもって信仰を生き、皆さん同士の、またキリストとの一致をますます深めて堅固にし、よく祈り、秘跡、特に聖体の秘跡とゆるし秘跡に熱心に与り、さらに皆さんの指導者たちの教えに従い、キリスト者として成長するよう願っています。

聖ヴァーツラフがその模範と取り次ぎによって、この歩みを続ける皆さんをいつも導いてくださいますように。

そして、イエスの御母、私たちの母、聖母マリアが絶えず皆さんを守ってくださいますように。私は皆さん一人ひとりに心からの祝福をおくります。







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