2009-08-11 18:40:07

「死に打ち勝つ愛を証しした殉教者たち」教皇、日曜の集い


教皇ベネディクト16世は、ローマ郊外カステルガンドルフォで9日、日曜正午の祈りを信者と共に唱えられた。

集いの中で教皇は、先週に続き典礼暦で8月に記念される聖人らをテーマに講話された。

8月中旬の聖人として、教皇はまずアッシジの聖クララ(11日)を挙げ、「祈りと生活の中で毎日を神への熱い愛に捧げた」その生涯を振り返られた。

この時期に記念される聖人は、この聖クララを除き、多くが殉教者であることを教皇は指摘。

特にナチズムの下に殉教した2人、ユダヤ教徒として生まれ、後にキリスト教信仰を抱き、カルメル会修道女となった十字架の聖テレサ・ベネディクタ(エディット・シュタイン、9日)、またポーランド出身のコンベンツアル聖フランシスコ修道会士で、無原罪の聖母の偉大な使徒であった聖マキシミリアノ・マリア・コルベ神父(14日)をはじめ、ローマの初代教会の殉教者、聖ポンチアノ教皇、聖ヒッポリト司祭(13日)、聖ラウレンチオ助祭(10日)などを思い起こされた。

これらの聖人は、最後まで愛し抜く愛(カリタス)を証しし、受けた悪に対し、善でもって闘った人々であると述べた教皇は、特に「司祭年」にあたり、魂の救済のために何をも恐れず、いのちまでも与える勇気を持ったこれらの殉教者の福音的英雄、死に打ち勝つ愛に学ぶよう司祭らを励まされた。

教皇はナチスの強制収容所は究極の悪の象徴、すなわち人間が神を忘れ、善悪・生死を決める権利を自分たちのものとしようとする時に地上に開く地獄の象徴であると述べられた。
そして、この悪の現象は、現在の世界にも様々な形で広がっていると指摘された。

先に挙げた聖人たちの存在は、無神論的人間主義とキリスト教的人間主義の間にある深い相違を考えさせると教皇は話し、自由だけを人間の唯一の原則として掲げ、人間が神に代わって自分たちの行動規範を裁く思想に対し、愛の福音を実践し、その希望の理由を明らかにしながら、愛である神の真の顔と同時に真の人間の顔を示した聖人たちの生き方を対比された。







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