2009-06-26 17:29:09

教皇、聖ピオ神父ゆかりの地サン・ジョヴァンニ・ロトンドでミサ、病院訪問


教皇ベネディクト16世は、21日、イタリア・プーリア州のサン・ジョヴァンニ・ロトンドを司牧訪問された。

サン・ジョヴァンニ・ロトンドは、聖ピオ・ダ・ピエトレルチーナ神父が生涯の大半を過ごした町として知られ、年間700万人が訪れる南イタリア有数の巡礼地となっている。

聖ピオ神父(本名:フランチェスコ・フォルジョーネ)は、1887年、南イタリア、カンパニア州のピエトレルチーナに生れた。1903年、16歳でモルコーネのカプチン会に入会、ピオ修道士と名乗った。1907年、終世誓願。1910年、司祭叙階。1916年、サン・ジョヴァンニ・ロトンドの修道院に移り、1968年に81歳で帰天するまで、同地で司牧に従事した。多くの信者の信仰を励まし、その使徒職に生涯のすべてを惜しみなく捧げた。

ベネディクト16世のサン・ジョヴァンニ・ロトンドへの今回の司牧訪問は、2002年のピオ神父の列聖から7年目にあたる。前教皇ヨハネ・パウロ2世は、1987年に同地を訪れている。

この日、現地に到着された教皇は、朝からの雨にも関わらず各地から集ったおよそ5万人の巡礼者の熱い歓迎を受けられた。

教皇は最初にサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会を訪れ、聖ピオ神父の墓の前で祈りの時を持たれた。

続いて教会前広場で巡礼者参加の教皇ミサがとり行われた。

人々の魂を導き、苦しみを和らげること、これが聖ピオ神父の使命であったと教皇は説教で説き、ピオ神父から託された聖性という遺産に、祈りと愛徳の行為をもって近づいていくよう信者らに呼びかけられた。

午後、教皇は同地のカーサ・ソリエーヴォ・デラ・ソフェレンツァ(苦しみを和らげる家)病院を訪問し、患者や医療関係者との出会いを持たれた。

同病院は、貧しい人々や病人の苦しみに敏感であったピオ神父の提言・推進によって設立され、南イタリアで最も大きい近代医療施設の一つとなった。

教皇は、医療活動はもとより、病者に必要な精神的支えをも与えることができるように、科学の家であると同時に祈りの家であるというこの病院の使命を強調されると共に、人生の一部である苦しみの神秘の意味を、私たちの救いのために来られたキリストへの信仰の中に見出していくよう話された。

夕方、教皇は同地に最近新しく献堂されたサン・ピオ・ダ・ピエトレルチーナ教会で司祭・修道者・若者たちと交流された。

この集いで、就業問題などをはじめ南イタリアの若者たちが抱える困難な状況に言及された教皇は、生き生きしたキリスト教共同体と、正しく希望に満ちた社会を築いていくことができるよう、皆に励ましを与えられた。

司牧訪問を終えられた教皇は、同日夜バチカンに戻られた。







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