2009-05-25 18:34:49

教皇、カッシーノ司牧訪問でミサと夕べの祈り「神の追求と弱い人々への連帯を」


 教皇ベネディクト16世は、24日、イタリアのカッシーノ市とモンテ・カッシーノ修道院を司牧訪問された。

ラツィオ州カッシーノは、ローマ南東約130kmに位置し、特に町を見下ろす険しい岩山、モンテ・カッシーノ上にそびえるベネディクト会の大修道院で知られる。また、同地は、第2次世界大戦中の1944年、連合軍とドイツ軍の激しい戦闘の舞台となり、双方の戦死者はもとより、町と修道院も壊滅的被害をこうむった。周辺には多くの戦没者墓地がある。

カッシーノ訪問の一日、教皇は午前中、市内の広場でミサを捧げられ、午後にはモンテ・カッシーノ修道院で夕べの祈りをとり行われた。

およそ2万人の市民が参加したミサで、教皇はこの地に修道院を創立した聖ベネディクトの精神から力を得るよう人々を招かれた。

キリストに眼差しを据え、神をすべてに優先するものとした聖ベネディクトの教えを思い起こされながら、教皇は今日においても神を追求し、神の言葉に耳を傾ける姿勢が大切であることに変わりはないと説かれた。

祈り、労働、霊的読書に支えられたベネディクト会の修道者らに倣い、祈りの遺産とみ言葉への愛を大切にし、労働の世界をより人間的なものにしていくよう教皇は勧めながら、特に今日の経済危機による労働・就労環境の悪化に苦しむ人々らを助け、家族らを保護し、弱い人々への連帯を育むようアピールされた。

正午のレジナチェリの祈りの説教で、教皇はキリスト教共同体と全世界がいかにキリストの平和の力を必要としているかと説き、神の賜物である平和を祈り求めるよう呼びかけられた。

また、「キリスト者の助け手(扶助者)聖母マリア)」の記念日であるこの日24日は、中国の教会のために祈る日でもあることから、教皇は中国のカトリック信者らに大きな愛情を込めて挨拶をおくられ、彼らがキリストの信仰における一致と教皇への忠実を新たにすることができるよう祈られた。

午後、教皇はモンテ・カッシーノ修道院で、世界各地のベネディクト会の修道院長らをはじめとする関係者らと共に夕べの祈りを唱えられた。

この集いで教皇は、輝ける聖性の模範を生き、修道者らに唯一の偉大な理想としてキリストを指し示した聖ベネディクト、神の要求と人間の要求に均衡ある判断を持ち、真の兄弟愛を育てたその生涯と功績を見つめられた。

大戦中に破壊され、再建されたこのモンテ・カッシーノ修道院を訪れる巡礼者たちに、扉の上のPAX(平和)の文字が、あらゆる暴力を放棄し平和を構築するように呼びかけているように思われる、と教皇は述べ、聖ベネディクトの平和への招きに耳を傾けるよう説かれた。

この後、教皇はポーランド兵士戦没者墓地を訪れ、すべての戦争の犠牲者のために深い祈りを捧げられた。

 







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