2009-05-14 18:26:03

教皇、ナザレでミサ、家庭の重要性、宗教の平和的共存を説く


教皇ベネディクト16世は、14日午前、イスラエルのナザレでミサを捧げられた。

8日から始まった教皇の聖地巡礼訪問はこの日で7日目を迎え、帰国まであと1日を残すところとなった。

前日のパレスチナ自治区ベツレヘム訪問に続き、教皇はナザレでもミサに始まり、ネタニヤフ・イスラエル首相との会談、ガリラヤ地方の諸宗教代表者らの集い、教会関係者との夕べの祈りなど、中身の濃い一日を過ごされた。

ナザレはガリラヤの丘陵の斜面に広がる町で、聖母マリアが受胎告知を受けた場所、ヨセフとマリアのもとで少年イエスが育った地として知られる。ナザレはイスラエルの中で最もアラブ系住民(イスラム教徒およびキリスト教徒)が多く、聖地で最も多くのカトリック信徒を擁する町でもある。

ナザレのプレチピツィオ山で行なわれたミサには4万5千人以上が参加、会場は教皇を迎えた信者たちの喜びであふれた。

教皇はこのミサで、キリスト教的家庭の聖性をテーマに説教を行なわれ、男性と女性の生涯の忠実に基づく、新しい生命に開かれた家族のありかたを示された。

家庭は秩序と受け入れのある社会を築くための基礎であると強調された教皇は、教育という大切な使命を担う家庭の権利と尊厳を国家が積極的に保護することを望まれた。

教皇はナザレの聖家族を思いおこしながら、両親や子どもの役割にも言及。

聖家族の母、マリアの姿を見つめつつ、教皇は女性の尊厳と使命を尊重することの大切さを説き、女性たちがそれぞれのカリスマと才能を生かし家庭や社会、教会で貢献できるよう願われた。

また、イエスは養父ヨセフから慈しみや誠実、正直、厳しい仕事を学んだと教皇は述べ、権力よりも愛に奉仕することの豊かさを知っていたナザレの大工ヨセフの模範と静かな力を世界はどれほど必要としていることかと話された。

さらに若者たちに対しては、少年イエスに倣い両親を尊敬し、マリアとヨセフに神の愛の偉大さを教えたイエスのように、両親と一緒に、人生により完全な意味を与える愛を発見していって欲しいと希望された。

教皇は過去にナザレで起きたイスラム教徒とキリスト教徒間の緊張についても触れ、憎しみや偏見の破壊力に負けず、平和な共存のための橋を築いていくよう、信者らに力強く呼びかけられた。

ミサの終わりに教皇は、ナザレに創立される「家庭のための国際センター」の礎石と共に、
聖地で初めてのアラブ・カトリック系大学、および「ヨハネ・パウロ2世記念公園」の礎石を祝別された。







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