2009-04-09 17:57:03

聖木曜日:バチカンで聖香油のミサ「真理によって聖なる者となるように」教皇、司祭らに


教皇ベネディクト16世は、9日午前、聖木曜日の典礼行事の一つとして、「聖香油のミサ」をとり行われた。

「聖木曜日」とは、復活祭直前の一週間、聖週間中の木曜日をいう。

「聖香油のミサ」は、聖木曜日に各教区の司教座聖堂において行なわれるもので、この中では、洗礼志願者用聖油、病者用聖油、そして堅信などに用いる聖香油の3種の聖油が、司教によって祝別される。後、祝別された聖油は、各教会に分配され、聖具室に保存される。

この朝、バチカンの聖ペトロ大聖堂は、聖香油のミサのために集まったローマ教区の司祭たちでいっぱいになった。このミサのもう一つの特色として、式中、司祭たちによって叙階の日の約束が新たにされた。

ミサ中の説教で教皇は、「聖なる者」となるための絶え間ない努力をすべての司祭に呼びかけられた。

「真理によって、彼らを聖なる者としてください。あなたの御言葉は真理です」(ヨハネ17, 17)。このイエスの祈りを58年前、ご自分の司祭叙階の前晩に読んだ時、これを司祭の道を歩む自分のための言葉として受け止めたと、教皇は回想された。

人や物を聖別するとは、それを世から取り上げ、完全に神に渡すことと教皇は話され、「主は、真理における私たちの聖化を望まれる」のであり、「真理によって聖なる者とされるには、真理である神の御言葉に浸され、清められ、変容されなければならない」と説かれた。

キリストと一致するには、自分の意思を通すのではなく、キリストに自分を明け渡し、いつどのような形でもキリストのために役立つように準備ができている必要を示されると共に、世にある多くの偽りに抗して真理を求める闘いを受け入れる必要をも強調された。

また、イエス・キリストにおいて真理と愛は同じ一つのものであることを指摘された教皇は、苦しむ人や貧しい人の中にキリストを見出し、これらの兄弟姉妹に仕えることの大切さにも言及。「真理と愛と神の人」となれるよう、教皇は司祭たちと共に神に祈られた。

ミサの後半、洗礼志願者、病者、堅信予定者と司祭叙階予定者らが、油の入った3つの壷を助祭と共に祭壇に運び、教皇はこれらの油を祈りと共に祝別された。

教皇はこの日祝別した聖油の一部を、先日の地震による深刻な被害のために聖香油のミサを行うことができなかった中部イタリア・ラクィラ大司教区に、深い精神的交わりと一致のしるしとして贈りたいと述べられた。そして、被災地の再生と再興の時、この聖なる油が人々と共にあり、苦しみをいやし、希望を支えるようにと願われた。

聖木曜日のもう一つの重要な典礼行事として、教皇は夕方からローマの司教座聖堂、ラテランの聖ヨハネ大聖堂において、聖体とミサ聖祭、司祭職の制定を記念する「主の晩餐」のミサをとり行われる。







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