2009-03-19 17:06:09

教皇、第2回アフリカ特別シノドス討議要綱を託す、ヤウンデのミサで、「家庭」の役割強調


教皇ベネディクト16世は、アフリカ司牧訪問3日目の19日、カメルーンの首都ヤウンデでミサを捧げられ、この中で今秋開催の第2回アフリカ特別シノドスの討議要綱を司教らに手渡された。

同日朝、ミサの前に教皇はヤウンデ市内のバチカン大使館で、カメルーンのイスラム教指導者らとお会いになった。

同国におけるイスラム教徒の占める割合はおよそ22%。カトリック信者は約27%。

この出会いは非常になごやかで友好的なものとなり、教皇は参加した22人のイスラム教代表者から同じ宗教者としての温かい連帯の言葉を受け取られた。

教皇は、イスラム教とキリスト教の対話と協力が、アフリカ大陸に平和と正義、共通善を推進する取り組みを力強く照らすかがり火となることを希望された。

続いて、教皇は市内の競技場でミサをとり行われた。会場には教皇の祭壇のためにアフリカの伝統的な家屋を模した大きな舞台が設けられた。アフリカ特有の鮮やかな色彩と豊かな音楽があふれるミサの中で、教皇は集ったおよそ5万人の信者たちに福音のメッセージを呼びかけた。

典礼暦はこの日、普遍教会の保護者、聖ヨセフの祝日を迎えた。この日は、教皇(ヨセフ・ラッツィンガー)の洗礼名の祝い日でもある。

ミサの説教で教皇は、アフリカ大陸の未来を築くために、福音の光のもとに家族や若者たちを導き、困難を乗り越え、豊かな希望を見出すことを、アフリカの教会の基本的な課題として提示された。

教皇は神へのまったき信頼を新たにするよう人々に呼びかけ、婚約者マリアが神の御子を受胎したという驚くべきお告げを前に神に最も大きい忠誠を示した聖ヨセフの生き方に倣うよう招かれた。

特にカメルーンの父母たちに対し教皇は、神から託された子どもたちの親としての役割を神への信頼のうちに引き受け、子どもたちに人間的・精神的価値を伝え、愛の中に生活するよう勧められた。

聖ヨセフの場合がそうであったように、神が望まれるような家庭を作る力は神だけがお与えになることができると教皇は述べ、忠実で真実な愛の恵みを神に願うことで、家庭を守るよう励まされた。

また、教皇は、伝統的な価値観や家族の絆が失われつつある現代社会が、若者たちの生き方に及ぼす影響を指摘。若者たちが安易ではかない楽しみの中に逃避し、人間の深い真の幸福を見失うことがないよう見守る必要を述べられた。

さらに、戦争や搾取など様々な理由のために、親から引き離され、あるいは親を失って生きる子どもたちの存在に眼差しを注がれ、これらの子どもたちが決して忘れられることがないよう、聖ヨセフの保護を祈られた。

そして、教皇はミサを共同司式したアフリカの司教らに、今年10月バチカンで開かれる第2回アフリカ特別シノドスの討議要綱を託され、この資料に集約されたアフリカの大きなダイナミズム、そして挑戦をシノドスで活かせるよう願われた。







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