2009-03-10 18:16:59

教皇、ローマ市議会を訪問「新しいヒューマニズムの推進を」
 


教皇ベネディクト16世は、9日、ローマ市庁舎を訪問され、市議会関係者とお会いになった。

ローマの市庁舎は、フォロ・ロマーノなどの遺跡群を見下ろすカンピドリオの丘の上にある。古代にはユピテル神殿などが置かれ、凱旋行列の到着点でもあったように、この丘はローマの7つの丘の中でも重要な役割を果たしていた。現在の市庁舎があるセナトリオ宮殿は、中世(12世紀頃)にはすでに市の行政管理の拠点とされていた。後の時代、教皇パウロ3世は、カンピドリオ広場全体の整備をミケランジェロに託し、ミケランジェロの死後もその計画に沿って作業が進められ、広場や建物は現在見られる形に整えられた。

今回の教皇のローマ市議会訪問は、パウロ6世(1966年)、ヨハネ・パウロ2世(1998年)の訪問に次ぐものとなった。

カンピドリオでアレマンノ市長に迎えられた教皇は、セナトリオ宮殿の市長室から、フォロ・ロマーノの素晴らしい景観を一望され、続いてジュリオ・チェーザレの間で市議会議員らとの出会いを持たれた。

教皇は行政関係者らへの挨拶で、経済危機や移民問題など、現在のローマが抱える様々な課題に触れながら、この都市が一人ひとりの尊厳を擁護し、人々の社会経済的困難、精神的貧困を助ける「新しいヒューマニズムの推進者」となっていくよう願われた。

この後、教皇は市庁舎のバルコニーからカピトリーノ広場に集った市民に挨拶をおくられた。

「何年も長くローマに住んで、私も少しローマの人になりました」と話しかけ、人々の歓声を受けられた教皇は、ローマの美しさ、深く息づくその宗教性、聖性を賛美されると共に、ローマ司教として子どもたちや、苦しむ人、すべての人々のために祈りを約束された。

市庁舎を後にされた教皇は、近くのサンタ・フランチェスカ・ロマーナ女子修道院に立ち寄られた。

聖フランチェスカ・ロマーナの祝日に当たるこの日、教皇は修道院のチャペルで聖体礼拝を行なった後、同聖女の聖遺物の前で祈られ、修道女たちに温かい言葉をかけられた。
 







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