2009-02-05 18:27:31

聖パウロをめぐる考察を終了、スリランカに平和を呼びかける、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで4日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇は使徒聖パウロの生涯の最期を取り上げ、これによって、昨年から続いた聖パウロをめぐる一連の考察を締めくくられた。

古くからの言い伝えは皆、聖パウロがローマで殉教したことで一致している。

新約聖書にはパウロの最期について直接の記述は無いが、使徒言行録はパウロが囚われの身でありながらも、訪ねてくる者を皆歓迎していたことに触れて終わり(28,30-31)、パウロのテモテへの手紙では「わたし自身は、既にいけにえとして献げられています。世を去る時が近づきました」(2テモテ4,6)と自分の死を予告していることを教皇は指摘された。

パウロの死についての最初の記述として、教皇は紀元90年頃書かれたローマの司教・聖クレメンスのコリントの教会への手紙を紹介された。ここで聖クレメンスは、ペトロの殉教と並んでパウロの殉教に触れ、パウロの偉大な宣教活動とその忍耐をキリスト者の模範として称えている。

このほか教皇は、4世紀のカイサリアのエウセビウスの記録、すなわちパウロが斬首刑で、ペトロが十字架刑で殉教したこと、ガイオという司祭が2人の記念碑がバチカンとオスティア街道にあると証言していることなどを紹介され、聖クレメンスの手紙同様、ペトロとパウロの両使徒が、教会の2つの重要な柱として一緒に示されていることは大変興味深いと述べられた。

聖パウロが後の教会と人々に与えた豊かで輝かしい精神的遺産に言及された教皇は、パウロの生き方と教えに学び、それぞれのキリスト者としてのアイデンティティを強め、教会全体を刷新していくための刺激としていくよう招かれた。

謁見の後半、教皇は、政府軍と反政府武装勢力の戦闘が続くスリランカに、平和と和解を呼びかけられた。

教皇は戦闘の拡大で無実の犠牲者が増加している状況を深く憂慮され、人道的権利と市民の移動の自由を尊重し、負傷者の手当てと市民の安全、緊急に必要とされる食糧・医療品の供給を保証するよう訴えられた。







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