2008-12-26 12:19:33

主の降誕:教皇「ベトレヘムの光が、利己主義と暴力の世界に広がり輝くように」


主の降誕の大祝日を迎え、教皇ベネディクト16世はバチカンより「ウルビ・エト・オルビ」ローマと全世界に向けてのクリスマス・メッセージと祝福をおくられた。

24日深夜に主の降誕のミサを捧げられた教皇は、降誕祭当日25日正午、バチカンの聖ペトロ大聖堂の中央バルコニーに立たれた。

ローマは朝から雲に覆われたが、バチカン周辺は聖ペトロ大聖堂に向かう市民や巡礼者らで賑わい、広場は楽団の演奏や人々の歓声で降誕祭の温かい雰囲気に包まれた。

「実に、すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現われました」(テトスの手紙2,11)と、教皇は使徒聖パウロの言葉をもって主の降誕の喜びを新たにされた。

あらゆる状況を生きる人々が皆、神の救いの恵みの力にもれなく預かることができるよう、イエスは実にすべての人々のためにお生まれになったと教皇は強調。その恵みの力だけが悪を善に変え、人の心を平和のオアシスにすることができると説かれた。

世界の各地で死の闇の中に置かれた人々に、ベトレヘムの光が広がり輝くよう願われた教皇は、イスラエルとパレスチナ間で再び緊張の高まる聖地をはじめ、レバノン、イラクなど中東全土に、闘争と暴力の論理ではなく、問題解決のための対話と交渉の努力を呼びかけられた。

また教皇は、ジンバブエ、コンゴ民主共和国のキブ地方、スーダンのダルフール地方、ソマリアなど、政情不安や闘争に苦しむアフリカ各地にも目を向けられ、これらの地に安定と平和をもたらすことはもとより、特に子どもたちの未来に希望を取り戻すことができるようアピールされた。

そして、利己主義が共通善に勝り、憎しみが兄弟間の殺戮と人間の搾取を当たり前にし、内戦やテロリズムが民族間の共存を引き裂き、生活に必要なものを欠き、未来に不安のある所に、主の降誕の光が輝き、皆を慰め、人々に連帯の精神をかき立てるようにと祈られた。
 
続いて教皇は、イタリア語からラテン語までの64言語で、ローマと全世界に降誕祭のお祝いを述べられた。この中で教皇は、「クリスマスと新年おめでとうございます」と日本語でも挨拶をおくられた。







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