2008-12-15 18:23:52

ダレス枢機卿逝去、米国の神学者、イエズス会士


米国のアベリー・ダレス枢機卿が、12日、ニューヨークで逝去した。90歳だった。

神学者として知られるダレス枢機卿は、1918年、ニューヨーク州オーバンの生まれ。アイゼンハワー大統領時代の国務長官を後に務めたジョン・フォスター・ダレスを父に持った。

プロテスタントの家庭に育ったが、若い一時期、不可知論者となり、大学で芸術や哲学、神学を学ぶうちにカトリック信仰に目覚め、22歳で改宗した。第2次大戦中は海軍に入隊し、副官となったが、終戦後28歳で除隊し、イエズス会に入会。38歳で、司祭に叙階された。

ローマのグレゴリアン大学で神学を修めた後、ウッドストック大学、アメリカ・カトリック大学、フォーダム大学などで教鞭を取る傍ら、多くの著作を残し、アメリカの主要な神学者の一人として活躍した。

エキュメニカル対話の推進者であったと共に、第2バチカン公会議後の困難な時代には、教会をめぐる様々な立場や意見の調停に努めた。

2001年、教皇ヨハネ・パウロ2世により枢機卿に任命された。

教皇ベネディクト16世は、ニューヨーク大司教エドワード・イーガン枢機卿に宛てた弔電で、ダレス枢機卿の深い学識と、神と教会への限りない愛を思い起こし、信仰と理性の調和を生涯を通して証しした同枢機卿の冥福を心から祈られた。

アベリー・ダレス枢機卿の逝去によって、現在の全枢機卿数は190人、そのうち教皇選挙の投票権を持つ80歳未満の枢機卿は116人、投票権を持たない80歳以上の枢機卿は74人となった。







All the contents on this site are copyrighted ©.