2008-10-10 18:15:53

教皇一般謁見・カテケーシス要約(2008.10.8)


親愛なる兄弟姉妹の皆さん

今日も聖パウロについてのカテケーシスを続けながら、特に聖パウロといわゆる「歴史上のイエス」との関係について考察してみましょう。

聖パウロのコリントの教会に宛てた書簡中の有名な箇所に、次のように書かれています。「私たちは、今後だれをも肉の立場から知ろうとはしません。肉の立場でキリストを見知ったことがあったにしても、今はもうそのように知ろうとはしません」(2コリント5,16)。

ここで聖パウロは、イエスが地上でみ言葉を述べ伝えていた時にイエスを直接に知ったと言っているわけではありません。 聖パウロのキリストについての知識は、初代教会の説教から受けついだと言う事実は、非常に意義深いものがあります。

はじめの頃イエスを拒絶していたことも、ダマスコへの途上での回心後、栄光化されたキリストについてのパウロの説教も、パウロの教えはすべて初代キリスト教共同体によって宣教されていた福音にその土台を置いています。

聖パウロはその手紙の中で、イエスの地上での生活について直接に語っています。聖パウロの手紙の中には、イエスの実際の説教の中に出てくるイメージやその中心的なテーマなどがはっきりと反映しています。

神の子としてのイエスのアイデンティティーについてのパウロの教説は、明らかに主イエスご自身の教えと経験に由来するものです。私たちはこの神の子イエスによって救われ、神の子となるのです。一言でいえば、聖パウロのイエスのついての知識や、私たちの救い主、そして神の子として復活された主についての宣言は、イエスご自身の生涯とその教えにしっかりと根ざしていたのだと言うことです。







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