2008-10-03 17:47:04

インド:止まぬキリスト教徒への迫害、オリッサ州で外出禁止令


インドで8月末に勃発したキリスト教徒に対する暴力は、10月に入ってからも各地で続き、鎮圧に対する見通しは現在のところ定かではない。

インド各地に飛び火した暴力の震源地であり、また今も激しいキリスト者迫害の舞台となっているオリッサ州では、10月1日、キリスト教徒の住居300家屋以上が放火され、1人のキリスト教徒の女性が殺害された。8歳の子どもを含む6人も重傷を負った。これに伴い、地元当局は、以前出されていた昼夜の外出禁止令を同州東部の9地域で復活させた。

国連の国際非暴力デーを記念した翌2日も、インドにおけるキリスト教徒への攻撃は変わらなかった。国連は2007年より、非暴力を説いたマハトマ・ガンジー(1869-1948)の誕生日10月2日を、非暴力デーとして定めている。この日も、外出禁止令にも関わらず、オリッサ州では4つの村が襲われ、キリスト教徒の家や集会所が焼かれた。タミール・ナドゥ州では、プロテスタント教会が襲撃・略奪された。

この他、オリッサ州では、先月29日にヒンズー教への改宗を強要され、それを拒んで暴力を受けた1人のキリスト教徒の男性が、1日、病院で死亡しており、さらに2日、森に避難していたクララ会の修道女1人がマラリアで亡くなったことを、カトリック系通信AsiaNewsは伝えている。

同地では、キリスト教徒に対する暴力が先鋭化した8月24日以来、10月1日の時点で、迫害で命を失ったキリスト教徒は60人。破壊された教会は178、放火された家屋は4600軒、被害を受けた教会系の学校は13に及ぶ。避難民は5万人以上で、負傷者の数はおよそ1万8千人という。

インド国務省は、暴力が問題化している地域に新たに準軍隊を派遣することを決定した。しかし、これまでの経過では、部隊の展開は暴力を停止させることができず、キリスト教徒らは、警察の介入が暴力行為の阻止に間に合わない、あるいは暴力を前に何もしないことを訴えている。







All the contents on this site are copyrighted ©.