2008-09-07 14:47:25

教皇、イタリア・サルデーニャ司牧訪問、カリアリのボナリア聖母巡礼聖堂でミサ


教皇ベネディクト16世は、7日、イタリア・サルデーニャ州の州都カリアリを司牧訪問された。

この訪問は、カリアリに巡礼聖堂を持つ「ボナリアの聖母」が、教皇聖ピオ10世によってサルデーニャの保護者として宣言されてから、今年で100周年を迎えたことを記念して行なわれた。

サルデーニャの人々に愛されるボナリアの聖母の由来は、14世紀後半の出来事にさかのぼる。1370年、スペインから出発した船が海上で激しい嵐に巻き込まれた。沈没を防ぐため、船員らは積荷を次々と海に投げ捨てた。その中には、一つの重い木箱があったが、誰もその中に何が入っているのかは知らなかった。その木箱を海に投げ入れると、不思議と嵐と波は静まったという。

やがて、その木箱はサルデーニャ島のボナリア(空気のよい、すがすがしい、温和で穏やかな等の意味がある)と呼ばれる丘の下の岸に流れ着いた。誰もそれを引き寄せることはできなかったが、丘の上に住んでいたメルセス修道会の修道士たちによってそれは引き上げられ、教会に運ばれた。修道士たちが木箱を開けると、幼子イエスを左腕に抱いた美しい聖母像が現われた。聖母の右手にはろうそくが握られていたが、そのろうそくには火が灯っていたと伝説は述べている。

この不思議な出来事によって、ボナリアの聖母への信心は、サルデーニャ島の人々はもとより、特に当時の航海者、船乗りたちに広まった。ちなみに、アルゼンチンの首都、ブエノス・アイレスは、長い船旅の無事をボナリアの聖母に託して祈ったスペイン人航海者たちが、「我らが貴婦人ブエン・アイレの聖母(ボナリアの聖母)」に捧げて建設した町を起源とする。

この朝、カリアリに到着されたベネディクト16世は、さっそく港の近くの丘にあるボナリアの聖母巡礼聖堂に向かわれ、聖母像の前で長い祈りの時を持たれた。

聖堂前で行なわれた教皇ミサには、サルデーニャ全土から大勢の信者が参加した。

教皇はミサの説教で、殉教者らの証しによって培われたサルデーニャの固い信仰の歴史を振り返られた。

また、人々の聖母への熱い信心を指摘された教皇は、新しい福音宣教の星としての聖母への信頼を新たにし、社会の基礎である家庭、青少年の育成、職場や社会の中にキリストをもたらしていくよう、信者らを励まされた。

続く、正午のアンジェラスの祈りでも、教皇は改めてサルデーニャの人々を聖母に託される中で、特に子どもの教育をはじめ、家庭、教会、社会において様々な役割を担うすべての母親たちに、聖母の姿を支えと慰め、希望として示された。

さらに教皇はこの席で、ハイチの暴風雨による犠牲者らのために祈られると共に、被災地への一刻も早い救援を呼びかけられた。

同日午後から、教皇は教区立神学校においてサルデーニャの司教らと会食され、続いてカリアリ大聖堂で司祭や神学生とお会いになる。

そして、夕方に市内の広場で若者たちとの出会いを行なわれた後、夜カステルガンドルフォの離宮にお戻りになる。







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