2008-06-13 17:58:40

教皇、ブッシュ米大統領と食糧問題等をテーマに会談、バチカン庭園で歓迎行事


教皇ベネディクト16世は、ジョージ・W・ブッシュ米国大統領と会見された。

ヨーロッパ歴訪中のブッシュ大統領は、11日午後からイタリア入りし、13日午前、バチカンを訪問した。

教皇がブッシュ大統領をバチカンに迎えるのは2007年6月に続き、このたびで2回目。一方、教皇は今年4月の米国司牧訪問で、到着時に空港で同大統領の出迎えを受けたほか、翌日ワシントンの大統領官邸で歓迎式典に臨まれ、その際に個人会談を持たれている。

今回の両者の出会いは、教皇の米国訪問直後とあり、非常に親しい雰囲気の中で行われた。会談の場も通常の教皇宮殿内ではなく、趣向を凝らしバチカン市国の一角にある聖ヨハネの塔の中で行われた。

聖ヨハネの塔(トッレ・ディ・サン・ジョヴァンニ)は、バチカン市国を包囲しつつ近くの聖天使城まで伸びる中世の城壁に組み込まれている。聖ペトロ大聖堂の裏手、バチカン庭園の奥深くにあるこの塔は、福者教皇ヨハネ23世(在位1958-1963)によって修復され、同教皇によって使用されていた。

バチカン庭園に到着したブッシュ大統領を温かく迎えられた教皇は、塔の最上階にある書斎で個人会談を行なわれた。

会談では、教皇から大統領に対し、先の米国訪問時の歓迎と、基本的な道徳価値を守る努力に感謝が述べられた。

さらに米国とヨーロッパ・中東諸国との外交関係、聖地の平和構築への取り組み、グローバル化、食糧危機、世界貿易などの国際政治問題が話し合われた。

会談後、教皇は塔からのバチカン市国やローマの眺めを大統領に示された。

塔の客間で、教皇はローラ大統領夫人も交えて歓談され、大統領から贈られた米国訪問時のアルバムを興味深くご覧になった。

続いて、教皇と大統領は緑深いバチカン庭園の中を並んで散策した。樹齢のある木々や、季節の花の間を進みながら、教皇は時折立ち止まり、庭園内に展示された紀元2000年の大聖年の鐘などの前で大統領に説明を行なわれた。

庭園のルルドの洞窟前で、教皇は大統領の随行の人々とも挨拶を交わされ、大統領夫妻と共に、システィーナ礼拝堂聖歌隊の美しいコーラスに耳を傾けられた。

庭園内で教皇に見送られた大統領は、ローマを後にし、次の訪問国であるフランスへと向かった。







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