2008-06-10 17:39:21

教皇、ローマ教区会議を開会「希望に向けて教育する」をテーマに


教皇ベネディクト16世は、9日夕、ローマ教区教会会議の開会式をとり行われた。

ローマ教区は12日まで、「イエスは復活された。祈り、行い、苦しみの中で、希望に向けて教育する」をテーマとした会議を開催している。この会議は、同教区が3年計画で実施している青少年司牧プロジェクト(現在2年目)の一環として行なわれた。今回のテーマは来年度の司牧目標として提示されているもの。

教皇はローマ教区の司教座聖堂、ラテランの聖ヨハネ大聖堂に赴かれ、聖職者や修道者、信徒たちからなる参加者らへの講話をもって同会議を開幕された。

講話の冒頭で教皇は、家庭だけでなく、教会や学校、社会全体とも直接関係する青少年司牧への考察を深めながら、「教育危機」という現代社会の大きな挑戦に答えを見つけていかねばならないと話された。

テーマに言及する中で、死者の中から復活したイエスは、キリスト者の信仰と希望のまぎれもない基盤であると教皇は強調、神を信じる人の希望は日常の生活を変容し、導き、世界をよりよくするための小さな努力にも意味を与えてくれると述べられた。

今日の社会と文化においてキリスト教的希望を生きるのは容易ではない背景として、教皇は、不信や失望・諦めに覆われた世相が信仰という大きな希望のみならず、毎日の小さな希望さえも脅かし、若者たちに未来への不安を与えていることを示される一方、科学・技術の進歩だけが注目される中で、人間の命の意味や善悪の判断をそれに委ねてしまい、神の存在を排除する傾向があることを指摘された。

希望に向けた教育を目指すには、まず第一に神に心と知性、生活を開け放つことが必要で、こうすることではじめて信仰から来る希望を人々の間で証しすることができるようになると述べられた。

希望を学ぶための「場所」として、教皇は「祈り」「行い」「苦しみ」の3つを挙げられた。

祈る者の心を神は広げられ、私たちを神だけでなく他の人々にも開かせると「祈り」の重要性を教皇は説くと共に、兄弟姉妹たちの希望のためにも奉仕する者として、より住みやすい社会のために働き、貧しく疎外された人々のために奉仕する「行い」の大切さを示された。

さらに、キリスト教的希望は「苦しみ」の中でも生き、苦しみこそが希望を教え、強めると述べた教皇は、人を癒すのは苦しみの前から逃げ出すことにではなく、キリストと一致し、苦しみの意味を見出しながら、それを受け入れる力にあると話され、信仰の希望の恵みを養い、確かなものにしていくよう、特に若い信者らを招かれた。







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