2008-05-18 18:47:31

教皇「現代に希望のメッセージを伝えていこう」サヴォーナ司牧訪問で


教皇ベネディクト16世は、17日午後、司牧訪問として、イタリア・リグーリア州に向かわれた。

17、18日と2日間の日程で、教皇はサヴォーナ、ジェノヴァの2都市を訪れ、信者らとの交流を持たれた。

教皇が最初に訪問したサヴォーナは、西リビエラ海岸に面した人口およそ6万2千人の町。特に13、14世紀頃を中心に、リグーリア周辺ではジェノヴァと並ぶ重要な港湾都市であった。

サヴォーナはまた「教皇の町」として知られる。ルネッサンス時代の教皇、シクストゥス4世(在位1471-84)とユリウス2世(在位1503-13)の出身地であるほか、インノケンティウス8世(在位1484-92)は、サヴォーナの司教であった。また、サヴォーナは、ピウス7世(在位1800-23)がナポレオンによって監禁されていた場所である。

まず教皇は、サヴォーナの保護者である「いつくしみの聖母」に捧げられた聖堂を巡礼された。

1536年3月18日、羊飼いアントニオ・ボッタ(後、列福)は、現在巡礼聖堂が建っている場所で聖母の出現を受けた。当時サヴォーナはジェノヴァとの続く戦争によって町・人民共に疲弊していた。福者ボッタに現われた聖母は、両都市の人々に「裁きより、いつくしみを」と説いたという。

サヴォーナの「いつくしみの聖母」は、ナポレオンがライプツィヒの戦いで敗北した後、監禁から解放されたピウス7世によって戴冠された。同教皇が解放の知らせを受けたのは、いつくしみの聖母の出現の祝日の前日だった。

ベネディクト16世は聖堂の聖母像に金のばらを捧げられ、祈りの時を持たれた。

続いて市内の広場で行なわれた教皇ミサには、降りしきる雨にも負けず、数万人の市民が参加した。

ミサの説教で教皇は、いつくしみの聖母は同市の歴史的試練の時も、またピウス7世の辛い体験の時も、希望と勇気を与え続けてきたと述べられ、物質主義や相対主義、世俗主義の広がる現代にあっても、主から恵みとして受け取った祈りと秘跡、愛徳の業を通して、希望のメッセージを伝えていこうと信者らを励まされた。

さらに、このたびの訪問は聖母への巡礼と共に、ご自分のピウス7世への敬意を表すものでもあると話され、ピウス7世幽閉時代、サヴォーナ市民が時には個人的な身の危険を冒してでも見せた、同教皇への多くの連帯を思い起こされた。

また教皇は、若者はもとより、同市の刑務所の収容者、また若い家族と子どもたち、高齢の司祭や修道者らに温かい言葉をかけられた。

教皇はミサの後、大聖堂と司教館を訪問され、ピウス7世が監禁されていた部屋を訪ねられた。







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