2008-04-30 18:25:55

教皇、米国司牧訪問の実りを報告、一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで30日、水曜恒例の一般謁見を持たれた。

4月最後の一般謁見は、さわやかな天候のもと、聖ペトロ広場で行なわれた。

教皇は謁見中の講話で、先日15日から21日にかけて行なわれた米国司牧訪問の豊かな体験を信者らに報告された。

この司牧訪問は、アメリカのカトリック教会における最初の首都大司教区であるボルチモア大司教区の創設および、ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、ルイビルの各教区の創立200年を機会としたもので、「キリスト、私たちの希望」をテーマに行なわれた。

まず、米国到着後の最初の公式行事、ホワイトハウスにおけるブッシュ大統領との会見で、宗教・倫理・政治的原則の調和の上に建国された同国において、信教の自由が保証されているだけでなく、それらが人間の権利と義務の基礎として価値付けられていることを賞賛すると共に、人権推進や世界の連帯と対話などの問題において同国のカトリック教会が社会の刺激となっていくことを望まれたと、教皇は述べられた。

ワシントンでの教会関係者との交流として、教皇は米国の司教らとの集いと、ナショナルズ・パーク球場でのミサに触れられた。

教皇は米国の司教らに対して、多くの矛盾を抱える現代社会で福音を伝えるという決して容易でない使命を指摘し、家庭や若者の教育を基礎としながら社会のパン種として信徒を育成するよう勧め、この中で聖職者による未成年への性的虐待という痛ましい出来事が与えた傷を修復する必要を説いたと話された。

ワシントンのミサでは、米国のカトリック教会が建国時の先人たちから伝えられた信仰にしっかりと根ざし、神の愛の希望に勇気付けられて未来に挑戦していくことができるよう励ましたと述べられた。

教皇はまた、ワシントンで行なわれたキリスト教諸教会や諸宗教関係者との出会い、ニューヨークのシナゴーグ訪問を通し、対話と平和や精神価値の推進に向けての共通の取り組みを確認することができたと喜びを表された。

今回の米国行きのもう一つの主要目的であったニューヨークの国連本部訪問について教皇は、世界人権宣言採択60周年を背景に行なわれたこの訪問は、人間の尊厳という普遍の基礎を人々に思い起こさせるこの宣言の価値について国を超えた広く権威ある賛同を確認する機会を与えてくれたと述べられた。

ニューヨークでの滞在においては、マンハッタンの中心部にある聖パトリック司教座大聖堂でのミサ、教区神学院での障害を持つ子どもと両親たちや、若者・神学生らとの感動的な出会い、ヤンキー・スタジアムでの北アメリカの最古の諸教区の創立200年を祝うミサの喜びなどを振り返られた。

また、2001年9月11日の同時多発テロで崩壊したワールド・トレード・センター跡地、「グラウンド・ゼロ」では、恐ろしい悲劇の犠牲となったすべての人々のために祈られたと話された。
                       
こうして教皇は司牧訪問の実りを神に感謝されると共に、この体験がアメリカや全世界の教会で豊かに生かされるよう祈られた。







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