2008-04-18 19:53:14

教皇、ニューヨークへ、国連総会を訪問


教皇ベネディクト16世は、18日、ニューヨークの国際連合本部で講演を行なわれた。

この朝、教皇はワシントンからニューヨークに移動され、米国訪問日程は後半を迎えた。

教皇の国連訪問は、1965年のパウロ6世、1979年、1995年のヨハネ・パウロ2世の各訪問に続き、今回で4回目、13年ぶりとなる。

国連本部に到着された教皇は潘基文事務総長に迎えられ、まず両者による個人会談が行なわれた。

続いて、教皇は会議場で国連総会メンバーらとお会いになった。

講演の中で教皇は、「共通の目的の達成に当たって諸国の行動を調和するための中心となる」という国連創設からの目的と使命を示しつつ、ヨハネ・パウロ2世が1995年の国連訪問で述べた、国連は「世界のすべての国々が自分の家のように感じ、そこで共通の意識を発達させる、いわば国々の家族」であるべきという言葉を思い起こされた。

教皇は、世界の貧しい地域への連帯の推進において国際社会の責任者らが善意を持って共に働く意志を示す必要性を強調され、特にアフリカをはじめとする真の発展から取り残された世界の地域の状況に憂慮を示された。

また、近年の科学・技術の発達について触れられた教皇は、これらの研究が人類に非常に大きな恩恵をもたらす一方で、いのちの創造の秩序を侵害し、いのちの聖なる性格のみならず、人間や家族の自然なアイデンティティーに抗する傾向をも持つことがあると警告。科学技術の適用が倫理を尊重したものとなるよう、人権にも関わるこの問題への取り組みを呼びかけられた。

人権に関する考えの基礎となった世界人権宣言が採択されてから今年で60年を迎えることに言及されながら、教皇は中でも宗教の自由の擁護をアピールされた。

そして、教皇は国連がこれからも国家間の一致と人類家族への奉仕のために働くことができるよう願われた。

この後、教皇は第62回国連総会議長および国連安全保障理事会議長とそれぞれ個人会談を持たれた。

さらに国連スタッフらと交流された教皇は、国連の多彩な活動を支える職員らの数え尽くせない貢献に賞賛の言葉をおくられると共に、あまり知られていない困難な状況の中での市民・平和活動の存在、またその中で命を犠牲にした人々を心に留められた。

様々な文化や国籍の人々が集う国連は全世界の小宇宙であり、それぞれの人々がそれぞれの文化的・宗教的立場から貴重な貢献を行なっていると教皇は述べ、これからも国連創立者たちのこうした理想をそれぞれの使命の中で果たして欲しいと励ましをおくられた。







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