2008-04-17 17:26:21

教皇と米国の司教らとの出会い、アメリカの教会の課題見つめる


教皇ベネディクト16世は、滞在中のワシントンで16日午後、米国の枢機卿や司教らとの出会いを持たれた。

同日午前中、米国到着後最初の公式行事としてホワイトハウスにおける歓迎式典に出席し、ブッシュ大統領と会談を持たれた教皇は、午後から教会関係者らとの司牧的対話に入られた。

教皇はまず、ワシントン市内のバチカン大使館におけるアメリカの枢機卿らと昼食の席で同国の教会の現状などについて意見を交換された。

続いて夕方には、無原罪の聖母大聖堂で米国司教団と夕べの祈りをとり行われた。

アメリカ全土の司教らおよそ400人が出席したこの集いは、非常に誠実な雰囲気に満ちたものとなった。

教皇は司教らへの挨拶で、世界のカトリック教会の中でも最も大きく影響力のあるものの一つであるアメリカの共同体が今日直面する課題を見つめ、率直な助言を与えられた。

移民の受け入れをはじめとする多くの社会福祉・人道支援、また学校教育を通じての奉仕など、米国の教会の積極的な活動に教皇は励ましを述べられる一方、世俗主義や物質主義、科学技術至上主義、また行き過ぎた個人主義や家族の危機など、信仰といのちの間を引き裂き、神を排除する傾向のあるアメリカの現代文化の憂慮される側面を指摘された。

米国の教会における、いのちの福音に反する出来事として、教皇は聖職者による未成年の性的虐待を挙げられ、この「深く恥ずべき」「重大な反道徳的行為」は、何よりも犠牲者とその家族に、またカトリック教会全体にも大変大きな苦しみを与えたと述べられた。

信頼回復のための司教らの働きや、米国の他の大多数の司祭や修道者らが日頃推進する素晴らしい活動にも教皇は触れながら、子どもたちの保護のために教会の徹底した努力はもちろんのこと、社会の各分野の一体となった取り組みを呼びかけられた。

集いの後半、教皇は司教らの質問を受けられ、文化における福音宣教の重要性、教会の役割、キリストによる救いの真の意味をいかに伝えるかなどに答えられた。







All the contents on this site are copyrighted ©.