2008-04-10 15:52:16

聖ベネディクトを考察、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、9日、バチカンの聖ペトロ広場で水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で教皇は、西洋における修道生活の基礎を築き、ヨーロッパの文明に大きな影響を与えた聖ベネディクトをテーマに講話された。

教皇は、聖ベネディクトの生涯を知る上での貴重な資料として、大聖グレゴリオの「対話録第二巻」を紹介。西ローマ帝国崩壊(476年)後の5世紀末から6世紀にかけての時代、社会的・道徳的危機に見舞われた世界に聖ベネディクトを輝く星として示し、「歴史の暗黒の闇」からの出口を見出させようとした大聖グレゴリオの意図を指摘された。

聖ベネディクトは480年頃、ヌルシアに生まれた。ローマで勉強するが、学友たちの堕落した生活をきらい、神のみを求めた彼は、修道共同体生活と隠遁生活を通してあらゆる人間的な誘惑と対峙するすべを修得した後、スビアコに修道院を創設した。

529年にベネディクトはモンテカッシーノに移り、霊性と修道生活における経験をさらに成熟させた。547年に帰天した彼は、後世への遺産として、すぐれた「会則」と彼の創立による修道会を残した。

こうした聖ベネディクトの生涯を振り返られた教皇は、同聖人が祈りを非常に大切にし、存在全体を祈りに深く浸した人であっただけでなく、神の眼差しの下で生きるがゆえに、現実を見極め、日常生活における義務や必要を決して見失うことなく、修道生活を行動と観想の共存のうちに神の栄光を称えるものとして高めていくことができた、と述べられた。

教皇は、聖ベネディクトがヨーロッパの保護聖人として宣言されたように、彼が西洋に与えた大きな影響を改めて強調され、2つの世界大戦と様々なイデオロギーの崩壊を経験し、今日自らのアイデンティティーと本当の発展を求めるヨーロッパが、聖ベネディクトの教えに照らされ、真のヒューマニズムを生きる方法を学ぶことができるようにと祈られた。
 







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