2008-02-28 15:02:00

教皇、エルサルバドル司教団とお会いに「家庭を支援し、平和の文化推進を」


教皇ベネディクト16世は、28日、バチカン定期訪問中のエルサルバドル共和国の司教団とお会いになった。

エルサルバドルの司教らの訪問は今月25日から3月1日まで。同国にカトリック信徒が占める割合はおよそ80パーセントで、国内には1大司教区と7教区がある。

サン・サルバドル大司教で同国司教協議会議長のフェルナンド・サエンス・ラカジェ師は、今回の定期訪問に際し、同国の教会が現在取り組む問題として、外国(特に米国)への労働移民の流出および国内の人口流動、少年犯罪の増加、天然資源の搾取と環境問題、家庭と命の保護などに対応する司牧を挙げている。

教皇は司教らへの挨拶で、家庭の価値の保護、貧困との戦い、新しい世代の育成を中心テーマとされた。

家庭は教会と社会にとってかけがえのない財産であると共に、平和を構築する上での基礎的要素であると教皇は述べ、家庭司牧を強化し、若い世代の精神面・愛情面における確かな養成を支えるよう願われた。

貧しさのために多くの人々がより良い生活を求めて移民せざるを得ない一方で、その影響として結婚や家庭の安定が脅かされていることを教皇は憂慮された。

教皇はエルサルバドル国内で問題となっている暴力の増加について、貧困や教育の不足、家庭の崩壊や価値観の喪失などの他の深い社会悪が要因となっていることを指摘。

貧困問題に対し、すべての人々が尊厳ある生活をおくれるよう、経済構造とその状況を向上させる必要があるが、同時に人間は単なる物質・社会的条件の産物ではなく、科学や人間の業が与えてくれる以上の何かを希求する存在であることを忘れてはならないと教皇は述べられた。

エルサルバドルの人々の生き生きとした信仰と深い宗教的感情と共に、オスカー・ロメロ大司教をはじめとする多くの司牧者・宣教者の実り多い働きを思い起こされた教皇は、これからも人々とキリストの出会いを積極的に助けていくよう司教団に希望された。







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