2008-01-22 17:43:51

教皇「兄弟愛に満ちた社会の構築を」
日曜の祈りの集いに20万人


教皇ベネディクト16世は、バチカンで20日、日曜正午のアンジェラスの祈りの集いを持たれた。

祈りの前の説教で、教皇は18日から始まったキリスト教一致祈祷週間をテーマに話された。

キリストのすべての弟子たちの一致を願って、ポール・ワトソン神父がこの祈祷週間を提唱してから今年で100年目にあたることを教皇は紹介。カトリック、正教会、プロテスタントの信者らが、キリスト者の分裂は福音を受け入れるための障害となることを自覚し、完全な一致という賜物を共に主に祈り求めることの重要さを強調された。

今年の同週間のテーマ「絶えず祈りなさい」(一テサロニケ5,17)について教皇は、聖パウロが、内部に対立の見られたテサロニケの共同体に対し、あるべきいくつかの基本的態度の一つとして、常に祈ることの大切さを思い出させていることを指摘。

こうしてパウロは人々を絶え間ない祈りへ招きながら、すべてのエゴイズムを克服し、互いの苦しみを背負い合い、平和と兄弟愛のもとに生きる力を、キリストと聖霊における新しいいのちから得るように教えていると、教皇は話された。

キリスト者の一致のために休まず祈り続けるようアピールされた教皇は、祈祷週間最終日25日、ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂でとり行なわれる夕べの祈りにおいて、教皇はじめ諸キリスト教教会代表者らと心を合わせ、キリスト者間の和解という貴重な賜物を神に祈って欲しいと人々に願われた。

ローマ大学ラ・サピエンツァ校への訪問を教皇が延期された後に、初めて行なわれたこの祈りの集いには、ローマ教区教皇代理司教、カミッロ・ルイーニ枢機卿の呼びかけに応え、ローマやイタリア各地からおよそ20万人の信者らが詰め掛け、文化の対話・比較の自由をめぐり教皇に連帯を表した。

教皇はこの日聖ペトロ広場を訪れた多くの大学生や教授らをはじめ、集った人々に心からの感謝を述べられた。

招待されたローマ大学への訪問を、今回見送らざるを得なかったことを残念に思うと伝える一方で、教皇は長年ご自分が親しんできた大学の世界に対する深い愛情を述べられ、大学が真理の追求と、相互尊重のうちに行なわれる開かれた比較・対話の場所であり続けることを願われた。

また、この日ローマ教区は「カトリック系学校の日」を記念したが、教皇は学校責任者や教師らに、福音の精神を基礎に、人間性の完成をめざす教育に情熱を持って取り組んで欲しいと励ましをおくられた。

最後に教皇は、「兄弟愛に満ちた寛容な社会構築のために、友愛と、真理と自由への愛のうちに共に歩んでいきましょう」と集ったすべての人に呼びかけられた。







All the contents on this site are copyrighted ©.