2008-01-10 17:47:26

「人間の育成を中心に」教皇、地元行政関係者に新年の挨拶


教皇ベネディクト16世は、10日、ローマ市をはじめとする地元の行政関係者に新年の挨拶をおくられた。

この日、教皇がお会いになったのは、バチカンと歴史的・地理的に深い関係を持つ、ローマ市および、ローマ県、ラツィオ州の市長や知事ら、各地方自治体の代表者。

新年恒例の集いで教皇は、これらの自治体と教会の共通の関心問題として、教育、家庭、貧困、移民などのテーマを分かち合われた。

「人間の第一の資産は人間それ自身である」と前教皇ヨハネ・パウロ2世が回勅『新しい課題-教会と社会の100年をふりかえって』で述べているように、すべての課題を考える上で、まず人間の育成こそを基本とすべきと教皇は強調され、現代社会が抱える深刻な教育の危機を見据えられた。

教皇は、相対主義・虚無主義が浸透する現代の社会・文化の中で、新しい世代に自分の人生を築くための固い信念と規範を提示することはますます難しくなっており、親や教師たちも教育の使命をまっとうするための支えを見出せないでいることを指摘。社会の未来がかかるこの問題に地方行政も教会も積極的に取り組んでいかなくてはならないと述べられた。

さらに、これに関連して教皇は、「人と社会をより人間らしいものとし、命と愛を育てる場所」としての家庭を、具体的な形で保護していくよう願われた。

また、しだいに広がる貧困の問題にも触れられ、住宅費をはじめとする生活費の圧迫、就労の不安定、適切でない給料や年金が多くの人や家族の生活を困難にしていることを憂慮されると共に、地域的な治安や荒廃の問題に取り組み、移民をはじめ、すべての市民に安全で尊厳ある生活を保証できるよう呼びかけ、こうした問題に対する教会の支援を約束された。







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