2007-10-25 17:53:25

聖アンブロジオをテーマに、教皇一般謁見


教皇ベネディクト16世は、バチカンで24日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。

この日、会場の聖ペトロ広場には参加者およそ3万5千人が集った。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇は初代教会の教父の考察として、4世紀のミラノの司教、聖アンブロジオを取り上げ、その偉大な生涯をたどられた。

聖アンブロジオは340年頃、ドイツのトリーアに生まれた。ローマ帝国高官でガリアの長官であった父が亡くなった後、まだ少年であった彼は母と共にローマに上り、そこで修辞学と法学を修めた。

370年、アンブロジオはエミリアとリグーリアの長官として、ミラノに赴任した。その頃ミラノでは、司教アウセンチオの死後の後継者選びで正統派と異端アリウス派の闘争が起きていたが、その仲裁に入った彼はいまだ求道者であったにも関わらず、かえってミラノの司教に選ばれてしまった。そこで、彼は洗礼を受け、司教となった。

アンブロジオはオリゲネスの著作から多くを学び、聖書の研究に専念した。西欧で最初に「レクチオ・ディビーナ」を実践し、神のみことばに祈りと黙想を込めて深く耳を傾ける必要性を教えた。

聖アンブロジオにとって「キリストはすべて」であり、実際そのように生きた彼は、397年の聖金曜日、臨終の床で両腕を十字架のように広げ主の死と復活の神秘を共にし、聖土曜日の明け方に帰天した。

ミラノにやってきた聖アウグスティヌスと聖アンブロジオとの出会いを「教会史上、非常に重要」なものとして思いこされた教皇は、懐疑的で絶望した若い雄弁家アウグスティヌスを完全な回心に導いたのは、司教アンブロジオの素晴らしい説教だけでなく、特に彼の司牧者としての証しと、また、ただ一つの体のごとく一致して祈り歌っていたミラノの教会の姿であったと、教皇は指摘された。

アンブロジオから慰めと希望を受けようと、問題を抱えた多くの人たちが常に司教の前に長い列をなしていたことを、アウグスティヌス自身が著書「告白」に記しているように、アウグスティヌスはアンブロジオとの出会いから大きな影響を受け、彼の生き方と模範から信じることや説教することを学んでいった、と教皇は述べられた。

教皇は、聖アンブロジオの言うように、私たちにとっても「キリストはすべて」であるようにと、祈られた。







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