2017-06-30 11:31:00

教皇、イタリア-ラテンアメリカ協会関係者らに挨拶


教皇フランシスコは、6月30日、イタリア-ラテンアメリカ協会の関係者に挨拶をおくられた。

イタリア-ラテンアメリカ協会は、1966年ローマに創立された、イタリアとラテンアメリカ諸国の計21カ国が参加する国際組織で、文化研究、発展協力の推進などを目的としている。

関係者らへの言葉で、教皇は創立50年を迎えた同協会との出会いを喜ばれた。

ラテンアメリカの国々は豊かな歴史と、文化、自然、そして善良で連帯精神のある人々に恵まれていると述べ、発展のための相互協力のためには、ラテンアメリカが持つこれらの潜在的な力を知ることが大切と述べられた。

一方で、これらの豊かさにも関わらず、現在の経済・社会危機が市民に打撃を与え、貧困や失業、社会的不平等や資源の搾取を生んでいると教皇は指摘。

こうした中、ラテンアメリカの人々が持つ豊かさや可能性を価値付けると共に、人々が今、真に必要としているものを見極め、これらの必要に具体的に答えるための様々な努力を忍耐強く調整していかなければならないと話された。

また、教皇は、グローバル化し複雑化した現代社会の中で、ラテンアメリカは移民現象に対し力を合わせなければならないと強調。

必要に追われ、「新しいオアシス」を求めて移民する人々の多くが、その権利を侵害され、子どもや若者は人身売買や搾取の犠牲となり、犯罪組織の罠に陥っている現実、人々が家族や土地から遠く離れざるを得ない「離別の悲劇」を前に、国々の政府は分裂している現状に言及。

移民現象に対応するために、皆が足並みを揃えて協力していく必要を説かれた。

教皇は、ラテンアメリカのいくつかの国々が、政治・経済・社会において困難な局面を迎えている現状について、対話の文化の推進を励まされた。

「対話は不可欠」と語る教皇は、対話とは「お金同士の対話」ではなく、互いに耳を傾け、相手の助言を受け入れ、希望を分かち合い、信頼を交換することと話された。

教皇は、同協会の活動が、ラテンアメリカにおける共通善の推進と、より人間的で正義に満ちた社会の構築に寄与することを願われた。








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