2017-06-29 15:05:00

使徒聖ペトロ・聖パウロ祭日:「善き羊飼いに倣う」教皇、司教らに


6月29日、カトリック教会の典礼暦は、使徒聖ペトロ・聖パウロの大祝日を記念した。

教会の柱であると共に、ローマの保護者である両聖人を祝い、教皇フランシスコは、バチカンでミサを捧げられた。

このミサは聖ペトロ広場を会場に、前日の枢機卿会議で任命された新枢機卿や、この祭日のためにローマに集った新任の首都大司教ら、多くの聖職者と教皇との共同司式でとり行われた。

ミサの前半、教皇による「パリウム」の祝別が行われた。

パリウムは、毎年1月21日の聖アグネスの日に、教皇によって祝別された子羊の毛から作られる、細長い帯状の肩掛け。白い毛織物の表面に、黒い絹糸で6箇所に十字架が刺繍されている。輪状の部分に首を通し、カズラ(祭服の一種)の上にかけるこの肩衣は、羊を肩に乗せた「善き羊飼い」の姿を象徴している。

毎年の伝統として、聖ペトロ・聖パウロの日に、教皇から、最近任命された首都大司教らにパリウムが与えられる。

今年は世界の36人の首都大司教が教皇からパリウムを受け取った。首都大司教らは各自の教区にパリウムを持ち帰り、信者たちが見守る前で、各国駐在の教皇大使の手から改めてこれを受けることになる。

説教で教皇は、「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか」(マタイ16,15)というイエスが弟子たちに向けた問いを、今日、わたしたち司牧者は自分自身に問わなければならないと述べられた。

イエスはわたしたちの目を見ながら、「あなたにとってわたしは誰か」「わたしはまだ、あなたの命の主、心の向かう先、希望の理由、不動の信頼であるのか」と問いかけていると、教皇は話された。

教皇は司牧者たちに、「居間の中のキリスト者」ではなく、「歩む使徒」となり、生ぬるい信仰に留まらず、愛のために自分を焼き尽くし、毎日をただ漂流するのでなく、沖に向かって漕ぎ出していかなければならないと励まされた。

そして、「イエスを信じる者は、ペトロとパウロのように、最後の最後までイエスの道に従わなくてはならない。その道は十字架と迫害を通ることはあっても、新しい命と、喜びと、復活の道である」と強調された。

「十字架のないキリストは存在しないのと同様、十字架のないキリスト者も存在しない」と述べた教皇は、悪に耐えるとは、忍耐や諦めによってやり過ごすことではなく、イエスに倣い、重荷を背負い、それをイエスのため、人々のために引き受けることと話された。

また、教皇は祈りの重要性を説き、「祈りは希望を育て、信頼を養う水であり、わたしたちが愛されていることを感じさせ、愛することを可能にする。祈りは闇の中に、神の光を灯す」と語られた。

教皇は、この日パリウムを受け取った首都大司教たちに、善き羊飼いに倣い、託された群れのために生きて欲しいと願われた。








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