2017-05-03 17:22:00

エジプト訪問を振り返る、教皇一般謁見


教皇フランシスコは、バチカンで5月3日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中の講話で、教皇は先日のエジプト訪問について報告された。

教皇は、エジプトのアル・シーシー大統領、コプト正教会の教皇タワドロス2世、カイロのアル=アズハル・モスクのグランド・イマーム、アル・タイーブ師、そして同国のカトリック司教団の招待を受け、先月28・29日の2日間にわたり、首都カイロを訪問された。

教皇は、紛争やテロに苦しむエジプトと同地域のために、この訪問が「平和のしるし」としてよりよい形で行われたことに、すべての関係者に感謝を表された。

訪問初日にイスラム・スンニ派の最古にして最高の教育機関、アル=アズハル大学を訪れたことに触れた教皇は、同大学訪問の目的はキリスト教徒とイスラム教徒の対話、そして世界平和の推進にあったと述べられた。

同大学で行われた「平和のための国際会議」で、教皇はエジプトの歴史を「文明の地と、契約の地」という観点から考察し、平和を構築する上で、文明と教育、そして神と人間の契約が基礎となることを説いたと紹介された。

また、大統領はじめ同国要人、外交団との出会いを振り返り、エジプトの偉大な歴史遺産・宗教遺産と共に、中東地域で担ってきたその役割が、「力の権利ではなく、権利の力」に基礎を置く、恒久平和への歩みにおいて、同国に特別な使命を与えていると話された。

さらに教皇は、コプト正教会のタワドロス2世との兄弟的出会いで、完全な一致に向けた両教会の歩みと努力を共同宣言で確認すると共に、コプト正教会を襲った最近のテロによる殉教者たちのために、コンスタンティノポリ総主教ら、キリスト教諸教会代表者らとエキュメニカルな祈りを捧げたと報告した。

次いで教皇は、カトリック教会関係者との交流を深めたカイロ滞在2日目について語り、エジプトの信者たちのために捧げたミサは、信仰と兄弟愛の祭典となり、そこでは復活の主の生き生きとした存在を感じることができたと話された。

そして、訪問の最後の行事となったエジプトの司祭・修道者・神学生らとの出会いでは、キリストと神の御国のために自らを捧げた人々のこの共同体に同国の教会の素晴らしさを見ると同時に、中東のすべてのキリスト教徒らへの祈りを新たにしたと述べられた。

このように2日間の訪問を振り返りながら、教皇は幼子イエスがマリアとヨセフと共にヘロデの迫害を避けてエジプトに逃れたことや、ヤコブとその子らが飢饉の中で、エジプトに一家を挙げて向かったエピソードを指摘。

「エジプトは希望、身の寄せ所、助けの象徴でした」「わたしたちにとって、エジプトは歴史においても、そして今日も、希望のしるしであることを、皆さんに語りたく思いました」と話された。








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