2017-04-17 18:29:00

前教皇ベネディクト16世、90歳の誕生日


前教皇ベネディクト16世は、4月16日、90歳の誕生日を迎えられた。

ベネディクト16世(ヨセフ・ラッツィンガー)は、1927年4月16日、ドイツのマルクトル・アム・インに生まれた。

ベネディクト16世は、2013年2月28日に教皇職から引退された後、バチカン市国内の修道院、「マーテル・エクレジエ」で祈りの生活に専念されている。

前教皇の90歳の誕生日は、今年の復活祭と重なった。

教皇フランシスコは、聖週間中の12日、ベネディクト16世を訪問され、復活祭の挨拶をおくられると共に、前教皇の誕生日に祝意を表された。

このお祝いを記念し、前教皇をテーマにした多くの出版物が発表されている。その中にバチカンの出版局から発表された「コーペラトーレス・ヴェリターティス(真理の協働者)」がある。このタイトルはベネディクト16世の司教・教皇モットーからとったものである。

同書は、バチカンの前広報局長で、現在、神学研究推進のための「ヨセフ・ラッツィンガー = ベネディクト16世・バチカン基金」の議長を務めるフェデリコ・ロンバルディ神父と研究者ピエルルーカ・アザロ氏による監修で、同基金主催の「ラッツィンガー賞」をこれまで受賞した神学者13名の寄稿を集めたもの。

バチカン放送局のインタビューに答えたロンバルディ神父は、「コーペラトーレス・ヴェリターティス」というベネディクト16世のモットーは、神学者として、また教会の神学の奉仕者としての任務のアイデンティティーを非常によく表していると述べた。

そしてそこには、信仰と教会において生きる人たちのために、決して自分を前面に出さず、イエス・キリストご自身によって具現化された神の真理への奉仕を中心に据えるという、ご自分の奉仕のあり方についてのビジョンがあると指摘した。

最近、ベネディクト16世を訪問した際の印象として、ロンバルディ神父は、90歳を迎えられる前教皇の明解な思考や、人々と対話する時の穏やかさ、優しさなどを挙げた。高齢による体力の衰えは当然あるが、祈りと思索の静かな生活の中で、人々と完全に協力しながら暮らしておられると話した。

ロンバルディ神父は、ベネディクト16世の90歳のお祝いに当たり、前教皇が神との一致によって得るすべての実りと喜びと共に、この時を平安に満たされて過ごされることを願った。

そして、同時に、高齢にある前教皇の喜びと平安のメッセージを、教会共同体が豊かさとして受け取り、教皇フランシスコのため、また歩み続けるわたしたちすべてのための、その実りある祈りを、前教皇の霊的奉仕として感じて欲しいと述べた。








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