教皇フランシスコは、「キリスト教一致祈祷週間」の最終日、1月25日、ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂で夕べの祈りをとり行われた。
毎年1月18日から「聖パウロの回心」の祝日25日まで、キリスト教諸教会の間で行なわれる「キリスト教一致祈祷週間」は、「すべての人を一つにしてください」(ヨハネ17,21)という最後の晩餐におけるイエスの祈りを思い、同じキリスト者として、共に祈り、分かち合い、一致の精神を示すことを目的としている。
2017年度のテーマは、ドイツのキリスト教会協議会によって選ばれたもので、「和解―キリストの愛がわたしたちを駆り立てています」(二コリント5,14-20参照)。
25日、ローマのキリスト教諸教会の代表者らと共に夕べの祈りを唱えた教皇は、集いの中で「和解」をテーマに説教を行われた。
何世紀もの分裂の後、いかに和解の福音を告げるべきかと問われた教皇は、キリストにおける和解が来るには、犠牲が必要と指摘。
イエスはすべての人のために命を捧げられたが、「和解の大使たち」もまたイエスの名のもとに命を捧げ、自分のために生きることなく、皆のために死に復活されたイエスのために生きるよう召されていると話された。
キリスト者間の真の和解は、わたしたちが互いの賜物を謙虚と素直さをもって理解し合い、人から自分が学んでもらうことを待たずに、自分から先に人を学ぶことによって実現することができるだろうと説かれた。
イエスのために自分を犠牲にする生き方ができるならば、古い生き方は過去のものとなり、聖パウロに起きたように、わたしたちは新しい生き方と交わりの中に入り、その時、わたしたちはパウロと共に「古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた」 (二コリント 5,17)と言うことができるだろう、と述べられた。
教皇は、新しく希望に開いた未来、分裂を克服し、信者が愛のうちに新たにされ、完全で目に見える一致が行なわれる未来に導いてくださるよう、すべてを新たにする方であるイエスに、わたしたちを委ねたいと話された。
教皇は、一致への歩みにおいて、特に今年記念される宗教改革500周年に言及。
今日、カトリックとルーテル教会が、イエスの和解の業への信頼のもとに、この出来事を共に記念することができるのは、神のおかげであり、また50年に渡るエキュメニカル対話と祈りの実りであると強調された。
教皇は、これからも一致の賜物を神に願い、イエスの御名のために苦しむ多くの兄弟姉妹たちの英雄的な証しに勇気付けられながら、和解と対話の歩みを続けていこうと呼びかけられた。
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