2017-01-05 19:15:00

教皇、イタリア中部地震の被災者らとお会いに「皆の心と手で復興を」


教皇フランシスコは、1月5日、イタリア中部地震の被災者らとお会いになった。

この日、バチカンのパウロ6世ホールには、昨年8月の地震で深刻な被害を受けた市町村からおよそ7000人の住民が集った。

先の地震は、ラツィオ、マルケ、ウンブリア、アブルッツォなどの州の山間部で、数多くの死傷者を出し、歴史ある街並みに壊滅的被害を与えた。教皇は同年10月に被災地を訪問されている。

集いでは、被災者の代表として地元の男性と主任司祭の2人が、災害で受けた苦しみと、人々の連帯のもと、復興へと立ち上がる決意を語った。

教皇は原稿を用いずに、被災者ら一人ひとりの気持ちに寄り添うように語りかけられた。

「家を再建する前に、心を再建する」と言った主任司祭の言葉に感銘を表された教皇は、重い苦しみと傷を心に抱えながらも、すべてを投げ出さずに、もう一度始めようとする人々に、単なる楽観主義ではない、「希望」に基づく歩みを励まされた。

「心を再建する」には、明日はもっとよくなるだろうという楽観主義だけでは十分ではなく、楽観はその場しのぎにはなるが、それには中身がないと指摘。

今、必要なのは復興のための「希望・望み」であり、それは皆の「手」で作り出していくものと話された。

被災者代表の男性が瓦礫の中で手探りで家族を助け、自分もまた誰かの手に助けられたことに教皇は思いを向けながら、その皆の「手」と、「心」こそが、再興に必要なのですと語られた。

また、教皇は「わたしたちの町がこれ以上傷つかないように、わたしたちはそこに残った」という主任司祭の言葉を振り返り、「傷ついた町や人を、これ以上傷つけないように」と、互いにそこに残り、助け合い、守りあった住民たちの態度を深く心に留められた。

主任司祭が地元の人々の勇気と忍耐を誇りに思うと言ったことに対し、教皇もまた被災地に人々と留まる主任司祭たちを「狼が来ても逃げない羊飼い」として誇りに思いますと述べられた。

「わたしは皆さんのそばにいます」と強い連帯を示された教皇は、あなたたちが再建しようとしているすべてのこと、心、家、社会への再建の努力に心から感謝しますと、被災者らを励まされた。








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