2016-11-24 17:33:00

「麻薬依存は新しい形の隷属」教皇、国際ミーティングで


教皇フランシスコは、麻薬依存をテーマとした国際ミーティングの参加者らとお会いになった。

この会議は、教皇庁立科学アカデミーの主催で、「麻薬:世界に広がるこの問題と解決を考える」をテーマに、23日からバチカンで開催されていた。

会議2日目の24日、バチカン庭園内にある同アカデミー本部を訪れた教皇は、研究者や、医療従事者、司法関係者、また国連の使節などをはじめとするおよそ60人の参加者らに挨拶をおくられた。

「麻薬は社会の傷」と述べた教皇は、それは多くの被害者たちを網にかけ、依存に陥らせることで自由を奪う、「新しい形の隷属」であると強調。

麻薬への依存の原因は一つだけではなく、安定した家庭の欠如や、社会的プレッシャー、麻薬を売る側のプロパガンダ、また、新しい体験に対する欲望など、様々な原因・背景があることを指摘された。

一人ひとりの麻薬中毒者には個人的なストーリーがあるが、わたしたちはその人に耳を傾け、理解し、愛し、癒す必要があると教皇は説かれた。

麻薬中毒者をまるで壊れてしまった物や道具のように考えてはならないと注意を促しつつ、教皇はこうした人々が尊厳を取り戻せるよう支えることが求められていると話された。

教皇は麻薬の流通網の背景に犯罪組織の存在を指摘。これらの犯罪者らは、人々を麻薬の隷属から救おうとする人までも殺害しようとしていると述べられた。

麻薬問題と闘うためには、人々が判断する力を持つことが大切であると教皇は述べ、麻薬被害の予防としての教育の重要性を訴えられた。

また、各国に薬物中毒者の社会復帰を支援する制度作りを呼びかけられた。



 








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