2016-10-24 08:42:00

日曜正午の祈り : 教皇 「キリストの福音を謙遜といつくしみをもって告げる」


教皇フランシスコは、10月23日、日曜正午のアンジェラスの祈りを唱えられた。

教皇は聖ペトロ広場に集った巡礼者たちに、キリストこそ唯一の救い主であると世界に告げることは、今日の緊急課題であると強調。宣教に必要なのは、攻撃的になることなく、世の精神に染まらない勇気、すべての人々に自分自身を開いていく勇気であると説かれた。

教皇はアンジェラスの祈りの説教で次のように話された。

「兄弟姉妹の皆さん、キリストが唯一の救い主であることを再び告げることは、今日の世界においてキリスト者一人一人に課せられた緊急課題です。

偉大なる使徒聖パウロの例を見てみましょう。聖パウロの宣教事業の成功は、ひとえにパウロがキリストに近づき、その恵みに全面の信頼を寄せたことによります。それによって、主ご自身が彼をすべての人々に福音を宣教する使徒とされたのです。

聖パウロの体験に思いをはせる時、キリストの福音を告げ知らせるために、彼がどれほどの苦労をしのんだか、またどれほどの努力を傾けたかがよくわかります。宣教の効果はわたしたちの働きと努力によるという印象を受けるほどです。勝利に向かって邁進する競技者たちの努力を、聖パウロは惜しみませんでした。しかし、聖パウロ自身も言うとおり、わたしたちの宣教の真の結果は、神の恵みのおかげです。神の霊、聖霊こそが、世界における教会の宣教活動を効果的にするのです。

今日、宣教に従事するためには、大きな勇気が必要です。今は勇気の時です。

ふらつく足取りを強める勇気、キリストの福音のために自分自身を奉献する勇気、宣教に対する信頼を再び取り戻す勇気、まさしくこれらの勇気を必要とする時です。

勇気を必要とする時ではありますが、たとえ勇気をもって宣教したとしても、成功が保証されるわけではありません。 わたしたちには必要なのは戦うための勇気であって、必ずしも勝つための勇気ではありません。わたしたちに必要なのは、攻撃的にならずとも、世の精神に染まらない勇気です。 わたしたちに必要なのは、すべての人々の唯一の救い主であるキリストとの一致を少しも損なうことなしに、すべての人々に自分自身を開いていく勇気です。

また、わたしたちに必要な勇気とは、傲慢にならずに不信仰に抵抗していく勇気であり、福音のたとえに出てくる、顔を上げることもできずに、神よ罪びとであるわたしを憐れんでくださいと、痛悔に胸を打つ、謙遜なあの徴税人の勇気です。まさしく今日は勇気の必要な時なのです。」








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