2016-06-29 14:13:00

前教皇ベネディクト16世、司祭叙階65周年


ベネディクト16世(本名;ヨーゼフ・ラッツィンガー)が、兄ゲオルグ師と共に司祭に叙階されたのは、1951年6月29日、使徒聖ペトロ・聖パウロの大祝日のことであった。

6月28日、バチカン宮殿のクレメンスの間で行われた祝いの席には、教皇フランシスコをはじめ、枢機卿・司教らバチカン関係者が多数出席。前教皇の司祭叙階記念の喜びを共にした。

教皇フランシスコは、ベネディクト16世に祝辞を述べる中で、司祭職をテーマにした前教皇の著作集で特に印象的な箇所として、イエスによるペトロの最終的な召し出しについて述べている部分を引用。

イエスがペトロに求めることは、「わたしを愛しているか」という問いに集約されるのであり、主が司祭たちを通してご自分の羊を牧されるためには、この主への愛が基礎として不可欠であるという、ベネディクト16世の教えを紹介された。

そして、「主よ、あなたは何もかもご存知です。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます」(ヨハネ21,15-19)というペトロの答えこそ、前教皇の司祭、神学者としての全人生を貫くものであり、実際、その「愛する方を探す」という生き方を前教皇は常に証しし、また今日も証ししていると話された。

神に向けて上げた眼差しと心をもって、前教皇が教会の成長を力強さと知恵をもって見守り続けていることを教皇フランシスコは賞賛。

アッシジの聖フランシスコの霊的歩みにも似て、ベネディクト16世がバチカンの小さな修道院で教会のために捧げる生活は、平和と、力、信頼、成熟、信仰、献身、忠実を生み、それらはご自分と全教会のための力となっていると述べられた。

そして、教皇フランシスコは教会全体を代表し、いつくしみ深い神が前教皇を支えてくださるようにと祈られた。

この後、教皇フランシスコに続いて、バチカンの教理省長官ゲルハルト・ミューラー枢機卿、枢機卿会主席アンジェロ・ソダノ枢機卿のお祝いの言葉が続いた。

これらの言葉を受けて、ベネディクト16世は、教皇フランシスコとすべての人々に深い感謝を表された。

65年前の司祭叙階の日に触れつつ、前教皇は、その時共に叙階を受けた一人の友人が初ミサの記念のカードに「eucharistomen」(感謝を捧げましょう)とだけ記したことを回想。この言葉があらゆる意味で今の自分のすべてを表していると述べられた。

前教皇は特に教皇フランシスコへの感謝において、教皇の優しさはその選出の時から、どのような時においても自分を常に深く感動させたと述べ、自分はバチカン庭園よりも、教皇のその優しさの中に住んでいるのであり、その中で自分は守られていると感じると話された。

前教皇は、教皇フランシスコが、イエスの道を示しながら、イエスに向け、神に向けて、神のいつくしみの道をわたしたちと共に歩み続けて欲しいと願われた。

キリストは十字架と苦しみを感謝と祝福に変容させたと述べながら、前教皇は、わたしたちもまたこの主の「感謝」の中に入っていくことで、新しい生を発見し、世界が、死ではなく命の世界に、死に対して愛がうち勝つ世界に、変っていくことを助けましょうと述べられた。

 

 








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