2016-05-16 14:58:00

聖霊降臨:教皇「みなしごではなく、御父と兄弟たちとの繋がりを取り戻そう」


カトリック教会の典礼暦は、5月15日、聖霊降臨を祝った。

聖霊降臨の祭日は、キリストの復活後50日目に、聖霊が炎のような舌の形をもって、集っていた使徒たち一人ひとりの上に下った(使徒言行録2,1-11)ことを記念する。

同日午前、バチカンの聖ペトロ大聖堂で、教皇フランシスコは司祭らとミサを共同司式された。ミサでは聖霊の炎を思わせる司祭たちの赤い祭服が中央祭壇を幾重にも取り囲んだ。

教皇は説教で、聖霊を与えることで一つの頂点に達したイエスはの使命は、罪によって壊された神との関係をわたしたちに取り戻させ、わたしたちを「みなしご」の状態から「神の子」の状態に戻すことであったと話された。

「神の霊によって導かれる者は皆、神の子なのです。あなたがたは、… 神の子とする霊を受けたのです。この霊によってわたしたちは、『アッバ、父よ』と呼ぶのです」(ローマの信徒への手紙8,14-15)という聖パウロの言葉を教皇は引用。

「父なる神とわたしたちの絆は、イエスの贖いの業と、聖霊の賜物によって復活した」「御父から与えられた聖霊は、わたしたちを御父へと導く」と説かれた。

今日の社会に見る、神から離れた「みなしご」の状態のしるしとして、教皇は、内面の孤独、神なしで生きられるという考え、祈ることもできない霊的能力の欠如、永遠の命に対する無理解、他人を同じ父の子である兄弟と見なすことの不可能などを指摘。

聖霊降臨を祝う今日、「わたしはあなたがたをみなしごにはしておかない」(ヨハネ14,18)というイエスの約束は、弟子たちと高間で祈っていた聖母マリアの存在にも思いを向けさせると述べつつ、教皇はマリアを「教会の母、御子イエスの生きた記憶、聖霊に動かされた生きた祈り」として示された。

そして、保護者、慰め手、真理と自由と平和の霊である、聖霊の力を、今、特に必要とする家庭や共同体を聖母の取次ぎに託された。

主イエスとわたしたちの関係を堅固にする聖霊は、わたしたちを新しい兄弟愛の段階に導くと述べた教皇は、「普遍の兄弟」であるイエスを介して、わたしたちもみなしごではなく、善良でいつくしみ深い御父の子たちとして、他の人々と繋がりを深めることができるようにと祈られた。

 








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